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更年期 甲状腺機能の異常とうつ病

明らかな甲状腺機能低下症のある場合、二次的にうつ病やうつ状態を引き起こすことが知られています。

更年期 甲状腺機能の異常とうつ病

甲状腺機能の異常を呈する疾患は女性に多く、甲状腺線機能亢進症 であるバセドウ病の男女比は1:4であり、20〜50歳に好発し更年期の年代である50歳前後でもよくみられます。更年期症状である動悸・発汗・のぼせは本症の主要徴候であり鑑別を要します。特に高齢者では甲状腺腫や眼球突出などの身体徴候を欠く場合も多いので注意が必要です。
また 甲状腺機能亢進症 とうつ病には
1)身体がだるい、疲れやすい 2)やせる 3)動悸 4)不眠 5)いらいら などの共通点があります。
一般的に精神活動は亢進状態であり、いらいらし落ち着きが無く、活動的で多弁になり、刺激に過敏で興奮しやすく情緒不安定になりますが、まれにうつ状態となり特に高齢者でその傾向が顕著となります。

一方、甲状腺機能低下症 である橋本病の男女比は1:20と圧倒的に女性に多く、40〜60歳代が好発年齢です。甲状腺機能低下に基づく様々な臨床的徴候や症状はうつ病にみられるものとよく似ており、鑑別が必要です。何をするにも億劫で無気力であり、食欲が落ち、皮膚が乾燥してかさかさし、髪や眉が薄くなり、物忘れが多いなどは更年期障害の症状と間違えられることもあります。
また明らかな甲状腺機能低下症のある場合、二次的にうつ病やうつ状態を引き起こすことが知られています。

甲状腺の加齢変化については、加齢に伴って甲状腺には線維化・細胞浸潤・濾胞の変化・結節形成の増加などがみられるようになり、年齢とともに次第に甲状腺機能は低下するといえます。

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