') ?>
閉経後のエストロゲン濃度の低下は脂質代謝に大きな変調をきたし、LDLコレステロール(LDL-C)と中性脂肪(TG)は上昇することがわかっています。しかし、日本では女性の脂質代謝異常症は心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)リスクにならないと考えられ、軽度〜中等度のコレステロール高値は積極的に治療されることはありませんでした。一方、最近の臨床試験により、女性の高LDL−C血症に対する介入の意義が証明されています。
CVDの発症頻度は、50歳以前では男性は女性の3〜4倍高率であるのに対し、それ以後女性の頻度が急激に増加し、70歳代でほとんど男女差がなくなります。
我が国での心疾患による死亡率の比率をみると、50歳以前では男性が高率で推移しますが、以後女性が急増し、最終的には男性とほぼ同率になります。このようにCVDリスクは基本的に男性が高率ですが、女性の場合閉経以後にCVDリスクが上昇することから、エストロゲン濃度の低下がCVDリスクと密着に関連することがわかります。
HRTは脂質代謝改善作用をはじめ、多くの抗動脈硬化作用を有し、CVDリスクを低下することと数多くの観察試験が報告されたため、これまで閉経後高脂質血症の第一選択薬とされてきました。
しかしHRTがCVDリスクを増加することが示され、現在ではHRTは脂質異常症の積極的適応ではなくなりました。一方、HRTを50〜60歳に開始すればCVDリスクはむしろ低いことも報告されており、HRTの開始年齢が重要であると示唆されています。
さらに、エストロゲンの投薬ルートを経口から経皮にすることでCVDリスクを低下できる可能性も報告されています。
▽更年期 高LDLコレステロール血症とCVDリスク のキーワード
▽次の記事、前の記事
当サイトのRSS
新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 更年期 自律神経 ホルモンバランス