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CRPは非特異的急性炎症マーカーであり、リウマチ・膠原病患者で上昇をみたときには、疾患活動性以外に他のCRP上昇をきたす疾患を常に鑑別として念頭に置いておく必要があります。
多くのリウマチ・膠原病患者は免疫抑制療法下にあり、感染症は最も考慮すべき鑑別診断です。CRPの他に白血球数や左方移動の有無、鋭敏に血流感染症を反映するプロカルシトニンなども同時にチェックすることで参考にできます。
リウマチ・膠原病患者では、CRPや赤沈以外にも疾患活動性を反映するマーカーが存在します(※)。関節リウマチでは関節滑膜細胞や、軟骨細胞から産生される蛋白分解酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase:MMP)-3やリウマチ因子(RF)が疾患活動性とともに上昇する症例は多くあります。
全身性エリテマトーデスでは、抗二本鎖DNA(dsDNA)抗体上昇や補体低値が認められます。多発性筋炎/皮膚筋炎では、筋由来酵素であるクレアチンホスフォキナーゼ(CPK)やアルドラーゼが、さまざまなリウマチ・膠原病で併存しうる間質性肺炎の憎悪時にはKL-6・サーファクタントプロテイン(SP)-A・SP-D・LDHなどが上昇します。成人Still病では、疾患活動性の重症度を血清フェリチンが著明に上昇することで確認できます。
また、疾患活動性が明らかでないのにCRP高値が持続する際には、悪性腫瘍や他の膠原病が合併している場合もあり、発熱はなくても不明熱に準じる形での鑑別診断が必要となります。
CRPと赤沈は異なる機序で上昇するため、両者の乖離から疾患の状態や病態を考える手掛かりとなることがあります。全身性エリテマトーデスだはCRPがほとんど上昇しないのに対し赤沈は亢進しますが、逆にDICを合併した際には赤沈遅延を認めます。
リウマチ・膠原病患者でCRP高値を認めたら他の疾患活動性マーカーをチェックするとともに、病歴や症状の聴取、身体所見などから総合的な判断が重要となります。
※リウマチ・膠原病における炎症反応以外の疾患活動性マーカー
・関節リウマチ:MMP-3、RF
・全身性エリテマトーデス:抗dsDNA抗体、補体、免疫複合体
・多発性筋炎/皮膚筋炎:CPK、アルドラーゼ
・成人Still病:フェリチン
・間質性肺炎:KL-6、SP-A、SP-D、LDH
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