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利用可能エネルギーは食事から摂取するエネルギーから運動により消費されるエネルギーを差し引いた、基礎代謝や日常生活に必要なエネルギー量のことです。運動により消費されるエネルギー量に対して食事によるエネルギー摂取量が不足するとLEA(利用可能エネルギー不足)に陥ります。日常診療でLEAを精確に評価することは難しいので、体容積指数(BMI)や標準体重を指標とします。
利用可能エネルギーが1日徐脂質脂肪量1kg当たり30kcal未満の状態が続くと、下垂体からの黄体形成ホルモン分泌が低下して無月経となります。1)摂食障害の有無にかかわらないLEAと2)視床下部性無月経に3)骨粗しょう症を加えた3つを女性アスリートの3主徴といいます。これらの根本原因はLEAです。
LEAは女性だけの問題と思われていましたが、最近ではRED-S(相対的エネルギー不足)として、男性を含めたアスリート全般の問題と認識されるようになりました。RED-Sは無月経や骨代謝異常に加えて、免疫や代謝、心血管系、成長・発達などにも悪影響を及ぼし、貧血にも関係することがわかっています。
トレーニングの開始直後は、毛細血管圧の上昇や乳酸などの代謝物の影響で、組織浸透圧上昇し、血漿が血管内から組織へ移動します。すると循環血漿量が低下してしまうため、水分・塩分を保持するための生体反応が起こり、最終的には15〜20%の循環血漿量が増加します。このような状況下ではヘモグロビンが希釈されるので。数値上は貧血を呈することになります(ヘモグロビン値は1.0〜1.5g/dL低下する)。トレーニング開始にともなう生体の反応であるため、治療は必要ありません。通常はトレーニングの継続により赤血球数と循環血漿量のバランスがとれてきて1〜2か月後にはヘモグロビン値正常範囲内に復帰することがほとんどです。
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