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スポーツ貧血の原因に鉄の摂取不足や吸収低下、溶血などがあります。鉄は経口的に摂取するしかないため、栄養不足やトレーニング疲労による経口摂取量の低下が一番に考えられます。その他、消化管での鉄吸収の低下があります。細胞外へ鉄を排出する作用をもつフェロポーチンという蛋白質があり、肝臓から分泌されるへプシジンがフェロポーチンを調整しています。へプシジンの分泌が亢進すると、フェロポーチンが低下し、細胞から血液中にへ排出される鉄が抑制され、利用できる鉄が減少します。
へプシジンは、鉄飽和度・赤血球造血・炎症などで調節されます。具体的には、炎症により上昇した炎症性サイトカイン(インターロイキン-6など)が肝臓からのへプシジン分泌を亢進させると、フェロポーチンが低下して血中の鉄も低下し、細菌が利用できる鉄が少なくなります。これは感染症に対する正の生体防御反応となりますが、長期的に続くと赤血球造血に利用できる鉄が減少するため貧血になります。
運動を契機とする溶血は足底部での機械的な衝撃でおこります(行軍ヘモグロビン尿症候群)。溶血で生じるヘモグロビンはハプトグロビンと結合しますが、ハプトグロビンの許容量を超えた場合、ヘモグロビンは尿中に排泄され、ヘモグロビン尿になります。剣道やランニングなどの足底部に強い衝撃が加わるスポーツで起こりやすいのですが、全ての剣道経験者やランナーに発症するわけではないため、外力だけでなく、赤血球膜脆弱性素因との関連も示唆されています。
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