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成長に伴う循環血漿量の増加や、筋肉量増加によるミオグロビン量の増加によって鉄の需要は高まります。そのため成長期のアスリートは鉄欠乏になりやすいとされています。女性アスリートでは月経による失血は避けることができません。月経以外にも鉄が喪失する原因として汗・消化管出血・血尿などが考えられます。
汗の鉄含有量は300〜400μg/Lであり、1日に2〜3Lの汗をかけば、汗からの鉄喪失量は1日で1〜2mgとなります。汗だけの鉄喪失で体内の鉄が枯渇するとは考えにくく、連日の炎天下で多くの発汗を伴う場合は、汗による鉄喪失も考慮しなければなりません。
運動中の消化管出血も報告があります。運動によって一過性に腸管虚血となり、虚血性腸炎のような病態になるためと考えられていますが、微量な出血であるため、臨床的に問題となることは少ないようです。
血尿による鉄喪失も考えられます。わが国では、運動後の検尿異常は約6%に出現するという報告があります。運動による着色尿には、血尿・ヘモグロビン尿・ミオグロビン尿などがあります。
血尿の病態として以下の3つが考えられています。
1)糸球体基底膜の透過性や糸球体濾過圧が亢進し、赤血球が尿細管へ排泄される。運動強度や運動時間に相関するともいわれますが、症状出現には個人差があります。
2)膀胱への振動や間接的な衝撃で膀胱から出血する。ランニング、ジャンプ動作などで多い。
3)腎臓や膀胱が直接損傷を受ける。コンタクトスポーツ後の血尿で想起する。
※コンタクトスポーツ
(Contact sport)とは、スポーツ全般において、競技者間の接触の度合いを段階付ける際に用いられる表現。
・フルコンタクト:力を抑制せず相手に直接接触する形式の競技。ラグビー、アメフトなど
・セミコンタクト:力を抑制した上で、相手に直接接触する競技。ムエタイ、カンフー、剣道など
・リミテッドコンタクト:相手選手と接触することもあるが、基本的には距離を置く競技。サッカー、野球、バスケットボールなど
・ノンコンタクト:相手選手と接触しない競技。テニス、バレーボールなど
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