Fanconi貧血(FA)や角化不全症(DKC)などの先天性骨髄不全症は特徴的な身体的異常を合併して小児期に発症することが多く、代表的な先天性骨髄不全症の臨床的所見には以下のものがあります。
FAは皮膚の色素沈着、骨格系の奇形、低身長、DKCは爪の萎縮、皮膚の網状色素沈着、舌の白斑症などが特徴的な身体的異常で、これらは診断にも重要な所見です。これらの先天性骨髄不全症は小児疾患であると考えられますが、DKCの発症年齢(中央値)は15歳で約半数の症例が成人で診断されていることから、成人の骨髄不全症には少なからず先天性骨髄不全症が含まれていることを示しています。
FAの場合は、体細胞モザイクの状態になる症例が存在することや、DKCは身体的異常を形成するのに加齢が必要となることから、前述の身体所見が目立たない場合があります。さらにFAは常染色体劣性遺伝でDKCは世代促進現象が認められるため、患者の両親などの身体的異常や検査異常が目立たなく、家族歴もはっきりしない場合も少なくありません。このような症例は再生不良性貧血(AA)の診断となることが多く効果が得られない免疫抑制療法(IST)などが行われることがあります。骨髄不全症の症例の正確な診断のため、初診時には骨髄不全症のの家族歴やこれらの身体的異常がないかをチェックし、必要に応じてFAに対しての染色体脆弱性試験やDKCに対してのテロメア長測定を行う必要があります。
次世代シーケンサーによるゲノム解析研究により上記の先天性骨髄不全症において多くの原因遺伝子が同定されています。近年では次世代シーケンサーを用いた遺伝子診断も実験的に行われており、以下に示すような遺伝子変異を同定することで臨床的に診断が難しい症例の確定診断に役立っています。
※先天性骨髄不全症の原因遺伝子
・Fanconi貧血:FANCA、FANCC、FANCG、BRCA2(FANCD1)など
・先天性角化不全症:DKC1、TERC、TERT、TINF2など
・Diamond Blackfan貧血:RPS19、RPL5RPL11、RPL35Aなど
・Shwachman Diamnd症候群:SDBSなど
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