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利用可能エネルギーは食事から摂取するエネルギーから運動により消費されるエネルギーを差し引いた、基礎代謝や日常生活に必要なエネルギー量のことです。運動により消費されるエネルギー量に対して食事によるエネルギー摂取量が不足するとLEA(利用可能エネルギー不足)に陥ります。日常診療でLEAを精確に評価することは難しいので、体容積指数(BMI)や標準体重を指標とします。
利用可能エネルギーが1日徐脂質脂肪量1kg当たり30kcal未満の状態が続くと、下垂体からの黄体形成ホルモン分泌が低下して無月経となります。1)摂食障害の有無にかかわらないLEAと2)視床下部性無月経に3)骨粗しょう症を加えた3つを女性アスリートの3主徴といいます。これらの根本原因はLEAです。
スポーツ貧血の原因に鉄の摂取不足や吸収低下、溶血などがあります。鉄は経口的に摂取するしかないため、栄養不足やトレーニング疲労による経口摂取量の低下が一番に考えられます。その他、消化管での鉄吸収の低下があります。細胞外へ鉄を排出する作用をもつフェロポーチンという蛋白質があり、肝臓から分泌されるへプシジンがフェロポーチンを調整しています。へプシジンの分泌が亢進すると、フェロポーチンが低下し、細胞から血液中にへ排出される鉄が抑制され、利用できる鉄が減少します。
成長に伴う循環血漿量の増加や、筋肉量増加によるミオグロビン量の増加によって鉄の需要は高まります。そのため成長期のアスリートは鉄欠乏になりやすいとされています。女性アスリートでは月経による失血は避けることができません。月経以外にも鉄が喪失する原因として汗・消化管出血・血尿などが考えられます。
汗の鉄含有量は300〜400μg/Lであり、1日に2〜3Lの汗をかけば、汗からの鉄喪失量は1日で1〜2mgとなります。汗だけの鉄喪失で体内の鉄が枯渇するとは考えにくく、連日の炎天下で多くの発汗を伴う場合は、汗による鉄喪失も考慮しなければなりません。
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