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脂質異常治療薬 ニコチン酸誘導体

脂質異常治療薬ニコチン酸誘導体の概要・作用機序・効果・副作用についてまとめています。

脂質異常治療薬 ニコチン酸誘導体

1)概要
ニコチン酸はビタミンB3に属しています。わが国では、ニコチン酸の誘導体(ニセリトロール、ニコモール)が脂質異常症治療薬として使用されています。
2)作用機序
ニコチン酸は、アデニル酸シクラーゼを抑制してサイクリックAMPを減らすことで、ホルモン感受性リパーゼ(hormone-sensirive lipase:HSL)の活性化を抑制します。これにより脂肪組織の脂肪分解が抑制され、血中への遊離脂肪酸の放出が抑制され、肝臓への脂肪酸供給が減少します。脂肪酸は肝臓でのTG合成の基質であるため、肝臓でのTG合成減少、VLDLの産生・分泌低下をもたらします。また、LDLの異化の亢進やアポA-Iを増加させることでとにより、HDL-Cが上昇することも考えられます。

3)効果
常用量では効果が少ないといわれていますが、例えばニセリトロールであれば服用量を2,250〜3,000mg/日にすることで効果が上がります。ニセリトロール2,250mg投与で、LDL-Cが21%低下し、HDL-Cは14%上昇(750mg群:6.3%、1,500mg群:16.9%、2,250mg群:18.4%、3,000mg群:13.9%)します。
4)副作用
プロスタグランジン増加を介した末梢血管拡張作用により、副作用としてほてり、顔面紅潮、皮膚の発疹・掻痒感などの皮膚症状や低血圧が多くみられます。服用30分後に皮膚が紅潮し、60分までには自然に消退することが多い。薬剤量漸減や、プロスタグランジンの産生抑制目的で少量のアスピリンを併用することで、これらの症状を軽減できます。その他の副作用としては、耐糖能異常、消化器症状、肝機能障害、尿酸値上昇などがあります。

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