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食後TG値の実際 - 脂質代謝・高脂血症

コレステロール・中性脂肪・HDL・LDLなどについてまとめています

食後TG値の実際

トリグリセライド(TG)の日内変動を2型糖尿病患者(全員が糖尿病食で、総カロリーは標準体重当たり27Kcal、脂質は25%)で調べた報告によると、TGはリポ蛋白という形で血中を運搬され、半減期は数時間に及ぶため、オーバーラップが生じます。そのため血糖値とは異なり、食事に応じた山や谷を繰り返しません。1峰山を示し、TG値のピークは昼食後2時間でした。空腹時と最大値との差も33mg/dL程度であり、欧州の学会の定めた非空腹時TG値が低すぎるとはいいきれません。

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高トリグリセライド血症・高TG血症

高トリグリセライド(triglyceride:TG)血症は、高コレステロール血症とともに脂質異常症の中核をなす脂質異常症であり、頻度の高い疾患です。重症な高TG血症は急性膵炎の原因となり、軽度〜中程度では動脈硬化症の原因となると考えられています。同じ血清脂質であっても、TGはコレステロールとは異なりエネルギー代謝に密接に関係しています。TGはグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合したものであり、生体において脂肪酸はブドウ糖と並ぶ主要なエネルギー源です。脂肪組織はTGの主な貯蔵庫であるため、肥満・脂肪肝・メタボリックシンドローム・2型糖尿病で高頻度に高TG血症を合併します。

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高TG血症を伴う疾患 IV型、FH、続発性高TG血症

・家族性IV型高脂血症
IV型の表現型を示し、すなわちカイロミクロンの上昇はなくVLDLの上昇であるためTG値のみが軽度〜中等度高値となります。家族性IV型高脂血症は、第1度近親者に同じIV型が存在し、他の表現型が存在しない症例を指します。多くは成人発症で、肥満・高インスリン血症を伴うとされています。

・家族性高コレステロール血症(FH)
家族性高コレステロール血症は、主にLDl受容体のヘテロ、ホモ接合体遺伝子異常による疾患で、高LDLコレステロール血症と早発性冠動脈疾患が特徴です。
1)未治療時のLDLコレステロール>180mg/dL
2)腱黄色種あるいは皮膚結節性黄色種
3)FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴
1)〜3)の2項目以上が診断基準となりますが、表現型分類ではIIa、IIb型の可能性があり、高TG血症を伴う場合もあります。

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脂質代謝・高脂血症 のアイテム
高TG血症を伴う主な疾患 家族性複合型高脂血症(FCHL)
脂質異常症の中で家族性複合型高脂血症(famillal combined hyperlipidemia:FCHL)は最も一般的な遺伝疾患であり、中等度の高コレステロール血症と高TG血症を特徴とします
高TG血症を伴う疾患 家族性III型高脂血症
家族性III型高脂血症の原因はアポリポ蛋白Eの遺伝子傷害で、LDL受容体へ結合できないアポリポ蛋白E2のホモ接合体E2/E2が大半を占めます
高TG血症を伴う主な疾患 原発性高カイロミクロン血症
家族性高カイロミクロン血症は、リポ蛋白リパーゼ(LPL)活性の低下や欠如を特徴とする大変まれな遺伝性疾患です
脂質異常症(高脂血症)と血清TG値
世界保健機構(WHO)分類による脂質異常症(高脂血症)のタイプは表1の通りです
中性脂肪(TG)の測定法
わが国におけるTG測定法は、FGを消去する日本臨床化学会(Japanese Society of Clinical Chemistry:JSCC)勧告法の基づく標準化対応法(FC消去法)が広く普及しています
多発性嚢胞腎
多発性嚢胞腎(polycystic kidney disease:PKD)は両側の腎臓に大小の嚢胞が多発し、嚢胞が増大するにつれて腎実質の萎縮と間質の線維化が生じ、腎機能が低下します
脂質異常治療薬 イコサペント酸エチル(EPA)
脂質異常治療薬イコサペント酸エチル(EPA)の概要・作用機序・効果・副作用についてまとめています。
脂質異常治療薬 ニコチン酸誘導体
脂質異常治療薬ニコチン酸誘導体の概要・作用機序・効果・副作用についてまとめています。
脂質異常治療薬 コレステロール吸収阻害薬(エゼミチブ)
脂質異常治療薬であるコレステロール吸収阻害薬(エゼミチブ)の概要・作用機序・効果・副作用についてまとめています。
脂質異常治療薬 プロブコール
脂質異常治療薬プロブコールの概要・作用機序・効果・副作用についてまとめています。
脂質異常治療薬 陰イオン交換樹脂レジン(胆汁酸吸着剤)
脂質異常治療薬 陰イオン交換樹脂レジン(胆汁酸吸着剤)の概要・作用機序・効果・副作用についてまとめています。
脂質異常治療薬 陰イオン交換樹脂レジン(胆汁酸吸着剤)
陰イオン交換樹脂は作用機序もはっきりしており、重大な副作用の少ない薬剤です。
脂質異常治療薬 フィブラート系薬剤
これまでにフィブラート系薬剤を使用したメタアナリシスの結果から、TGは36%、LDL-Cは8%低下し、HDL-Cは10%増加することが示唆されています。
代表的な脂質異常症治療薬
代表的な脂質異常症治療薬の概要・作用機序・効果についてまとめてみました。
脂質異常症の治療の基本
どのタイプの脂質異常症でも、食事療法や運動療法は必須です。ライフスタイルの修正にはある程度時間がかかるため、3〜6か月は経過を見ることになりますが、改善が不十分な場合は薬剤治療を実施することになります。
脂質異常症の治療の基本
どのタイプの脂質異常症でも、食事療法や運動療法は必須です。脂質異常のなかでも、特に高LDLコレステロール血症が動脈硬化症の発症因子となるといわれています。そのため、これを治療することが動脈硬化性疾患の発症予防となります。
脂質異常症(高脂血症)の分類
脂質異常症のなかの高脂血症の一般的な分類としてWHO分類(Fredrickson分類:表1)が使用されます。血中で増加しているリポ蛋白の種類によってI〜V型に分類されています
脂質異常症
コレステロール(総コレステロール:TC)または低比重リポ蛋白コレステロール(LDLコレステロール)と高比重リポ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)およびTGを測定し、これらに異常値を認める場合を脂質異常症と呼びます。成因別には、原発性と続発性に分類されます。

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