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萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍および胃癌の主要な原因として認識されるようになったH.pyloriの持つ病原因子として、CAgA、VacAなどの分泌毒素、DupA、ウレアーゼによって生じたアンモニア、ムチナーゼ・ホスホリパーゼなどといった酵素、および熱ショック蛋白・OipAなふぉの外膜蛋白など様々な因子の関与があります。また、感染胃粘膜では宿主の免疫反応としてサイトカインやケモカインの活性が増加し、これらの物質が微小循環血流を介して全身に影響を及ぼしています。ららに、菌体と宿主との間に抗原類似性があり、H.pyloriに対する抗体がヒトの組織と交差反応を示すことが報告されており、自己免疫性疾患の機序として想定されています。
日本ヘリコプター学会の「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版」ではH.pylori除菌療法適応疾患として以下のものがあげられています。
H.pylori除菌が強く勧められる疾患
1)H.pylori感染胃炎
2)胃潰瘍・十二指腸潰瘍
3)早期胃癌に対する内視鏡治療後胃
4)胃MALTリンパ腫
5)胃過形成ポリープ
6)機能性ディスペプシア(H.pylori関連ディスペプシア)
7)胃食道逆流症
8)免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病(ITP)
9)鉄欠乏性貧血
H.pylori感染との関連が推測されている疾患
1)慢性蕁麻疹
2)Cap polyposis
3)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
4)直腸MALTリンパ腫
5)パーキンソン病
6)アルツハイマー病
7)糖尿病
さらにガイドラインに取り上げられていないもののH.pylori感染との関連が報告されている疾患として次のものがあります。
1)動脈硬化
2)虚血性心疾患
3)肝性脳症
4)自己免疫性甲状腺疾患
5)アトピー性皮膚炎
また、H.pylori除菌の有効性が報告されている疾患には次のものがあります。
1)遺伝性血管性浮腫
2)偏頭痛
3)膜性腎症
4)シェーンライン・ヘノッホ紫斑病
5)慢性関節リウマチ
6)シェーグレン症候群
しかし、これらの消化管以外の疾患に対してはITPを除き十分なエビデンスが得られているとは言い難く、一定の見解は得られていません。
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