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H.pylori感染による鉄欠乏性貧血の機序としては、いくつかの仮説が提唱されています。第一にH.pylori感染による消化管粘膜障害や胃粘膜萎縮に伴うアスコルビン酸の吸収低下に起因する鉄吸収障害があげられます。食物中の無機鉄が効率的に吸収されるには、胃酸とアスコルビン酸の存在が重要ですが、H.pylori胃炎では胃液中および胃粘膜中のアスコルビン酸濃度の減少が指摘されています。
第二に、細菌側の要因として、鉄収奪能の高い遺伝子変異をもつH.pyloriの存在があげられます。H.pyloriの外膜蛋白からラクトフェリン結合蛋白が同定されています。血中のラクトフェリンに結合した鉄がH.pyloriのの外膜レセプターを介して取り込まれ、H.pyloriの成長を支えていると考えられます。H.pyloriは、ターンオーバーが早く、死滅した菌は便中に排泄されますが、その際に鉄も共に体外へ失われると考えられています。
第三には、H.pylori感染による続発する潜在性失血説があります。しかしながら、ほとんどの研究報告で上部・下部消化管内視鏡検査が実施されて出血の原因となる病変が否定されており、便潜血反応も繰り返し行われ陰性であることから、未解明な点が多いとされています。
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