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簡便な糞便微生物移植法FMTを行うために、精力的に取り組まれている方法は、凍結ドナー便をカプセル化して投与する方法です。本法と新鮮便投与の治療効果を比較する研究によると、両群の治療効果に有意差を認めなかったため、北米を中心にドナー便の凍結・カプセル化・バンク化が進められています。
最大規模の糞便バンクが米国のマサチューセッツ州にあるOpenBiome社で、厳しいスクリーニングを通過した健常ドナーから回収した糞便サンプルを、さまざまなFMTの臨床研究に提供しています。コストに着目した研究では、カプセルを用いた投与法は内視鏡を用いた投与法と同等の有意性を示したという報告があり、患者への侵襲を考えると、カプセル投与の総合的な有用性は高いと考えられます。
もちろん、生体材料を用いる手法では安全性の担保を欠かすことはできないうえに、どれだけ厳しいスクリーニング基準を設けたとしても、未知の感染症が伝播する危険性を完全に排除することはできません。そのため、欧州を中心にFMTのドナースクリーニングに必要な検査項目や、糞便の処理手順も含めたガイドラインが作成され、安全で統一されたFMTプロトコルの作成が進められています。感染症の伝播リスクを軽減する方法として、FFT(fecal filtate transfer)と呼ばれる方法も試みられています。この方法では、生理食塩水に溶いたドナー便を遠心分離して上清を回収し、さらに滅菌フィルターでろ過することによって、生菌が含まれない状態にすることを目指しています。こうして生成された液体中には代謝産物・抗菌ペプチドや破砕された細菌の一部が含まれており、5例のCDI患者に投与して病態改善を得たとの報告があります。有用性が期待される細菌を組み合わせた細菌カクテルも国内外のベンチャー企業を中心に開発が進められており、一部では有望な結果も出ています。
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