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フィダキソマイシン(FDX)は、マクロサイクリック系の新規抗CDI薬です。RNAポリメラーゼに結合することにより、RNA合成阻害活性を示します。経口投与されたFDXは腸管からほとんど吸収されず、便中濃度は臨床分離株の最小発育阻止濃度(minimum inhibitory conocenration:MIC)の約5,000倍の濃度に当たる約1,225μg/gに達します。腸内細菌叢への影響は少なく、腸管内のグラム陰性菌や嫌気性菌にはほとんど活性がない狭域抗菌薬です。また、メトロニダゾール(MNZ)やバンコマイシン(VCM)にはない芽胞形成抑制や芽胞からの発芽抑制効果も報告されています。
海外で行われた2つの第3相試験では、治療維持率に関して、FDXはVCMに対して非劣性を示し(FDX87.9% VS VCM86.2%)、再発率はVCMに対して有意な低下を示しています(FDX14.1% VS VCM26.0%)。ただし、国内で行われた第3相試験では、FDXはVCMよりも治療維持率は高かったものの、VCMに対する非劣性は証明されていません。これらの第3相試験では、炎症性腸疾患や劇症型CDI、中毒性巨大結腸症例は除外されているため、罹患リスクの高い患者や重症例での効果については明らかではありません。その後行われた後方視的研究(ANEMONE study)では、一般的にCDIの罹患や再発リスクの高いとされている炎症性腸疾患や重度腎障害などの背景疾患をもつ患者と持たない患者において、FDX治療後30日の再発率はほとんど変わらなかったことが示されています。(炎症性腸疾患19% VS 重度腎障害17.9% VS 炎症性腸疾患や重度腎障害をもたない患者18.6%)
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