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C.difficileが産生するトキシンA、トキシンBの2種類の毒素が、腸管を傷害して下痢症・腸炎を発症させます。トキシンAはエンテロトキシンとしての作用があり、腸管腔内への水分の誘導、好中球の遊走などで腸管の炎症を起こします。トキシンBはサイトトキシンとしても作用があり、強い細胞障害作用をもちます。トキシンAもサイトトキシン活性をもっていますが、その活性はトキシンBの方が強い。C.difficileのなかにはトキシンAおよびトキシンBの両方を産生する株(A+B+)、トキシンAは産生しないがBのみを産生する株(A-B+)があり、これらがCDIを起こすことがあります。また、トキシンA、B両方とも産生しない非病原性株(A-B-)が存在します。
CDI発症にかかわるのはトキシンA+B+とトキシンA-B+の株でトキシンA-B-の株では臨床症状を伴いません。
近年、第3の毒素としてバイナリートキシンが注目されています。バイナリートキシンはAとBの2つのサブユニットから構成され、この2つのサブユニットが結合することにより、アデノシン二リン酸(ADP)リボシル化作用が生じ、炎症が惹起されます。また、バイナリートキシンが、菌の細胞付着にもかかわる可能性も示唆されています。ただし、バイナリートキシン単独では効果を発揮せず、トキシンAならびにトキシンBの作用を増強していると考えられています。したがって、バイナリートキシンの産生が病原性を高めることとなり本毒素産生株と疾患の重症化との関連がみられます。
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