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ベズロトクスマブは再発抑制を目的に作られた、C.difficileのトキシンBに対するヒト化モノクローナル抗体です。この製剤自体に菌を殺す作用はないため、使用の際には、抗CDI薬との併用が必要です。トキシンBに特異的に結合し、トキシンBと宿主細胞との結合を阻害することにより、トキシンBによる腸壁の炎症および損傷を抑制します。ベズロトクスマブは、トキシンBに選択的であり、トキシンAとの結合は認められません。
ベズロトクスマブの第2相試験において、C.difficileのトキシンAとBに対する抗体が再発性CDIの抑制因子であることが示されたことから、これらのモノクローナル抗体のCDI治療中の患者におけるCDI再発抑制効果および安全性を検討するための2つのプラセボ対照無作為化二重盲試験が行われ、いずれにおいても投与後12週間のCDI再発率の低下が認められました。なおトキシンAに対するモノクローナル抗体は、第3相試験において単独の再発抑制効果は認められず、ベズロトクスマブとの併用効果も認められませんでした。一方でベズロトクスマブは、2つの第3相試験では」、プラセボ群と比べて優位に再発率を抑制することが報告されています(ベズロトクスマブ15% VS プラセボ27%)。また、日本人集団を対象としたサブグループ解析でも、同様の結果が得られています。
ベズロトクスマブの投与は、保険給付上の注意として以下の5つに該当するものを対象とするように記載されています。
・免疫不全状態
・重症のCDI
・強毒株(リボタイプ027・078・244)への感染
・過去3回以上の既往歴
・その他の理由により重症化または再発のリスクが高いと判断できる場合
実際にはどの患者に投与するか明確な基準はありませんが、複数の再発リスクを有する患者では、ベズロトクスマブの有用性が高まることが報告されています。65歳以上・CDIの既往歴・免疫抑制患者・重症のCDI・強毒株(リボタイプ027・078・244)に感染のうち3つ以上に該当する場合の再発率は、ベズロトクスマブ投与群21.2% VS プラセボ群46.1%と有意に低くなります。一方で、これらのいずれにも該当しない場合の再発率は、ベズロトクスマブ投与群18.8% VS プラセボ群20.9%とベズロトクスマブを投与する意義は乏しくなります。また、ベズロトクスマブはCDIの治療中のいずれのタイミングに投与しても効果は変わらないことが報告されています。
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