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超高齢化社会であるわが国では、耐性菌出現や医療費を抑制する目的で、広域スペクトラムを有する抗菌薬の使用は感染制御部の許可制にするなど、使用量を抑えるさまざまな方策が進められていますが、使用量が大幅に減少するめどは立っていません。これはCDI患者が増加する危険性が増していることを意味しています。
CDI患者に対する標準治療のバンコマイシン投与は、薬剤費だけで1クールの治療に約10万円、2018年に薬価収載されたフィダキソマイシン投与も1クールで8万円を必要とすることを考えると、CDI患者数の増加が医療費の急激な増大にもつながりかねません。抗菌薬を適切に使用することはもちろんですが、本疾患の治療費を抑制することも重大な課題といえます。
一方で、糞便微生物移植法FMTは保険適用のある治療法ではなく、臨床研究として行われているのみであり、既存の抗菌薬投与と単純比較することは適切ではありませんが、ヒトの糞便を材料とするため、材料費はほとんどかかりません。また、ドナースクリーニングにかかる経費や消耗品代などを合わせても1〜2万円程度で、バンコマイシン治療の1/10のコストになります。スクーリングや便汁調製に、患者・医療従事者双方に大きな負担を伴うことは大きな欠点ですが、医療費を大きく抑制しうる可能性があることは非常に重要であり、本法を普及させるために手技の簡素化が必須です。
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