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IDH1/2遺伝子解析 グリオーマ

神経膠腫のIDH1遺伝子のコドン132、IDH2遺伝子のコドン172の変異を解析します。

IDH1/2遺伝子解析 グリオーマ

神経膠腫(しんけいこうしゅ:グリオーマ:glioma)とは、脳実質から発生する脳腫瘍および髄内から発生する脊髄腫瘍のうち、グリア細胞(膠細胞)由来のものを指します。
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(isocitrate dehydrogenase:IDH)は、クエン酸回路でイソクエン酸とα-ケトグルタル酸とを相互に変換する酸化還元酵素です。ヒトではIDH1(細胞質型・NADP+依存性)、IDH2(ミトコンドリア型・NADP+依存性)、IDH3(ミトコンドリア型・NAD+依存性)の3つのサブタイプが知られています。 近年さまざまな「がん」において報告されているIDHの変異は IDH1と IDH2であり、IDH3では報告がありません。

IDH1とIDH2(IDH1/2)は、突然変異(IDH1遺伝子のコドン132、IDH2遺伝子のコドン172)により、α-ケトグルタル酸をD-2-ヒドロキシグルタル酸に変換します。この野生型のIDHでは存在しないD-2-ヒドロキシグルタル酸が、「がん化」を引き起こすといわれています。
神経膠腫(グリオーマ)は、脳の神経細胞を支える神経膠細胞から生じる悪性腫瘍の総称です。神経膠腫のうち、特に星細胞腫、乏突起神経膠腫では、IDH1/2遺伝子の点突然変異が高頻度に認められることが知られています。

検査材料:組織
検査方法:ダイレクトシーケンス法

2016年にWHOの脳腫瘍診断体系が改訂され、神経膠腫に関しては従来の組織学(形態学)的分類(第4版, 2007年)中心から、遺伝子異常に基づいた分類(改訂第4版, 2016年)へと変化しました。日本でも2018年に改訂された脳腫瘍取扱い規約(第4版)に、IDH1/2遺伝子解析を含む診断アルゴリズムが掲載されています。
IDH1/2遺伝子解析検査は神経膠腫の診断において、今後必須の検査となることが期待されます。

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