手術で癌を完全に切除できた患者において癌が再発するという事実は、目で見えない(画像で検出できない)レベルにおいて癌細胞が存在していると考えられ、それらの腫瘍細胞が体内のどこに存在および潜伏しているのかを解明することについて、多くの取り組みがなされてきた歴史があります。これら微量の腫瘍細胞が存在する状態は、微小残存病変(minimal residual disease:MRD)と呼ばれます。
血中循環腫瘍細胞(circulating tumor cell:CTC)の検出およびその臨床的意義の検討が広く取り組まれる以前には、骨髄内に存在する腫瘍細胞(disseminated tomor cell:DTC)についての研究が、乳癌や前立腺癌を中心に精力的に取り組まれていた歴史があり、DTCの存在が再発や予後に関与するという報告があります。ただし、骨髄採取は非常に侵襲度が高い手技であり、現在でははるかに低侵襲での艦隊採取が可能な血液を用いたCTCの研究が主体になっています。CTCが癌の再発や転移をはじめとする病勢憎悪に大きく関与する存在であることを踏まえて、この存在を鋭敏に検出することで、予後や再発の可能性および薬物療法に対する治療効果についてより正確な診断を行うための取り組みが行われています。
▽血中循環腫瘍細胞(CTC)MRDとDTC のキーワード
▽次の記事、前の記事
サイトについて
このサイトは「健康診断・血液検査MAP」の新規記事を掲載しています。 過去の記事はこちらから閲覧できます。当サイトのRSS
新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 健康診断・血液検査MAP2