') ?>
血中循環腫瘍細胞(circulating tumor cell:CTC)を用いての変異解析、蛍光in situハイブリダイゼーション(fluorescence in situ hybridization:FISH)による遺伝子増幅解析および免疫染色による蛋白質の発現などの評価において、積極的な取り組みがなされています。CTC診断の大きな利点としては、cfDNAやエクソソームと異なり、癌細胞を直接見ていることが挙げられます。蛋白質の発現などの検出・評価においては、細胞や組織が不可欠であり、CTCはより有用なツールとなる可能性があります。
CTCを用いてのFGFR変異の検出や未分化リンパ腫キナーゼ(anaplastic lymphoma kinase:ALK)融合遺伝子の検出が可能であることが報告されています。前立腺癌における抗アンドロゲン薬治療に対する耐性機序であるアンドロゲン受容体スプライスバリアント7の発現について、CTCを用いて検出することで、耐性予測のバイオマーカーとして利用できる可能性も報告されています。
癌の薬物療法にいける近年のトピックとしては、免疫チェックポイント阻害剤の承認が挙げられます。CTLA(cytotoxic T-lympocyte sntigen)-4やPD-1(programmed death-1)/PD-L(PD-1 ligand)1といった免疫寛容に関与する分子に対する阻害薬の開発の成功は、癌薬物療法における大きなブレイクスルーといえます。進行非扁平非小細胞肺癌における抗PD-1抗体による治療では、腫瘍組織におけるPD-L1発現がその奏効予測に有用であるという報告があります。CTCを用いてのPD-L検出の試みについてはすでにいくつかの報告があり、免疫チェックポイント阻害剤による治療効果との相関についての検討もされておりCTCの有用性について今後の報告が注目されています。
▽CTCを用いた分子生物学的検討 のキーワード
▽次の記事、前の記事
サイトについて
このサイトは「健康診断・血液検査MAP」の新規記事を掲載しています。 過去の記事はこちらから閲覧できます。当サイトのRSS
新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 健康診断・血液検査MAP2