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血中循環腫瘍細胞(circulating tumor cell:CTC)とは文字通り末梢血中を循環している腫瘍細胞のことであり、癌の病態における大きな特徴の1つです。転移の形成過程に深く関与する存在として認識されています。その存在が初めて報告されたのは、1869年オーストラリアのメルボルンからのcase reportとされています。つまり、約150年前からCTCの存在は知られていたのですが、その臨床的意義については長らく明らかにされていませんでした。
CTCは、原発巣組織由来の腫瘍細胞が血管内に侵入し(intravasation)、さらに血液中で存在することが可能な性質を獲得した腫瘍細胞と考えられています。CTCは、さらにその後、血管外へ再度遊走し(extravation)、体内臓器組織に着床することにより、癌における大きな特徴の1つである転移において大きな役割を担っていると考えられています。これらの過程においては。本来上皮系の細胞である腫瘍細胞が間葉系の形質を獲得、つまり上皮間葉転移(epithelial-mesenchymal transition:EMT)によって遊走および血管内への侵入を可能とし、着床後に再度上皮系の形質を獲得することで、転移叢における腫瘍組織の形質が完成すると考えられています。
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