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1)作用機序
SU薬は、β細胞のATP感受性K+チャネルを構成するSU受容体(SU receptor:SUR)に結合し、K+の細胞外への流出を抑制することにより膜を脱分極します。その結果、電位依存性Ca2+チャネルが開口することにより、細胞内Ca2+濃度が上昇し、インスリン分泌を促進します。また。グリグラジドを除くSU薬は、サイクリックAMP(cyclic AMP:cAMP)依存性インスリン分泌経路のEpac2A(exchange protein directly activated by cAMP 2A)に結合することによってもインスリン分泌を促進します。
2)副作用
・低血糖
SU薬は血糖値にかかわらず、SURへの結合を介してインスリン分泌を刺激するため、副作用として低血糖が最も重要です。中程度以上の肝機能障害、慢性膵炎などの膵外分泌疾患、自律神経障害、胃切除術後、高齢者などに投与する際は特に注意が必要です。また、CYP2C9により代謝されるため、非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory arugs:NSAIDs)などとの併用による低血糖に注意が必要です。
2)その他
無顆粒球症、肝障害、黄疸、貧血、悪心・嘔吐、食欲不振、掻痒感、頭痛う、めまい、血中尿素窒素(BUN)上昇などの報告がありますが、いずれもまれです。
3)臨床検査の変動
・免疫活性インスリン(IRI)、C-ペプチド(CPR)の上昇
インスリン分泌が促進されるため、免疫活性インスリンやC-ペプチドの上昇をきたします。
・グルカゴンに対する影響
膵α細胞にもKATPチャネル/SURが存在しており、SU薬は直接グルカゴン分泌を刺激します。一方、SU薬はβ細胞からのインスリン分泌促進を介して間接的にグルカゴン分泌を低下させます。1型糖尿病患者のようにβ細胞が消失した患者では、SU薬はグルカゴン分泌を促進させます。
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