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糖質制限食により減量した肥満者では、脂質制限食により減量した肥満者よりも強くBacteroidetes/Firmicutes比(B/F比:肥満との関連から俗に善玉菌/悪玉菌とされることが多い2つの菌種の比)が高くなっています。また別のグループ研究では、エネルギー制限食と異なり糖質制限食のみがB/F比を高めていました。一方、ロカボの腸内細菌叢への影響をみる検討が行われ、教育入院2週間でのロカボの提供により、非肥満日本人2型糖尿病患者の血糖値やGA(グリコアルブミン)は改善しましたが、腸内細菌叢には有意な変化は認められませんでした。ロカボは非肥満者には体重減量をもたらさないという特徴がありますが、腸内細菌叢は代謝指標よりも体重との関係性が強いと考えられています。
ロカボでは、患者の我慢を忌避すべく、主食をしっかり食べたい患者には代替主食(パンや麺を呈糖質パンや低糖質麺に代替する)を勧め、甘味をしっかり楽しみたい患者には代替甘味料(およびそれを利用した甘味商品)を勧めています。
大豆パンやオカラやこんにゃくの?に対して抵抗感を示す患者はいませんが、人工甘味料に抵抗感を示す患者は多いようです。
こうした反人工甘味料論者がもっとも頼りにするデータが、Nature誌の論文です。この論文では、サッカリン・アスパルテーム・スクラロースを投与されたマウスが腸内細菌叢の変化とともに高血糖を呈したことになっています(ただし、単独で高血糖を呈していそうなのはサッカリンのみで他の2種については血糖上昇を呈しているようにはみえない)。しかし、その後このデータの再現性を確認した研究では、サッカリンですら血糖上昇効果も腸内細菌叢変化も認められませんでした。Nature誌の論文のコンタミネーションが疑われています。
そもそも、さまざまな人工甘味料が各々独自の体内動態をもつなかで、人工甘味料すべてが同じ医学的効果をもたらすという発想は理解しがたいものです。
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