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1)作用機序
脂肪細胞成分のマスターレギュレーターである核内受容体のPPAR-γ(peroxisome prolifetoractivated reccptoe-γ)を活性化することで、脂肪細胞分化を誘導します。脂肪細胞分化によって小型脂肪細胞が増加する一方で大型脂肪細胞はアポトーシスにより減少します。この脂肪細胞の質的変化が、」インスリン抵抗性惹起分子である腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factor-α:TNF-α)、遊離脂肪酸(free fatty acid:FFA)などの分泌を低下させ、インスリン感受性改善因子のアディポネクチンなどの分泌を促進させます。これにより全身のインスリン抵抗性が改善します。
)副作用
・浮腫、体重増加、心不全
特に女性に多く、心機能が低下している患者には使用を控えます。メカニズムとして、腎尿細管でナトリウムの再吸収が亢進し、循環血漿量を増加させると考えられています。
・骨折
海外のメタ解析において、長期のチアゾリジン薬投与は女性において骨折を増加させるという報告があります。機序については今後の検討が必要です。
・その他
類薬で劇症肝炎の報告があり、定期的に肝機能を確認する必要があります。以前、欧米では膀胱癌リスク上昇の懸念がありましたが、KPNC( 介せrPermanente Northem Califomia)研究の最終解析により、膀胱癌発生リスクの有意な増加は認められませんでした。わが国では、添付文書上、治療中の膀胱癌患者には使用しない、新規投与に関しては患者または家族にリスクを十分に説明して慎重に投与することとされています。
3)臨床検査値の変動
・血中腫瘍因子α(TNF-α)、レジスチン、遊離脂肪酸(FFA)の低下、アディポネクチン上昇。
脂肪酸分泌促進により、善玉アディポカインを分泌する小型脂肪細胞を増やし、悪玉アディポカインを分泌する大型脂肪細胞のアポトーシスを促進することによえい、インスリン抵抗性を回線します。血中レジスチンが低下することも報告されています。
・高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)上昇、中性脂肪低下
リポ蛋白リパーゼ(LPL)の活性化により、HDL-C上昇、中性脂肪低下作用を有しています。PROactive(prospective pioglitazone clinical trial in macrovascular events)試験では、脂質プロファイルの改善を認め、心血管イベント抑制に良い結果をもたらす可能性が指摘されています。
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