') ?> 糖尿病治療薬 α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI) - 健康診断・血液検査MAP2

糖尿病治療薬 α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)

α-GIは、オリゴ糖や単糖類類似の構造をもち、小腸粘膜刷子縁に局在する二糖類分解酵素を競合的かつ拮抗的に阻害します。

糖尿病治療薬 α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)

1)作用機序
α-GIは、オリゴ糖や単糖類類似の構造をもち、小腸粘膜刷子縁に局在する二糖類分解酵素を競合的かつ拮抗的に阻害します。通常、α-グルコシダーゼは小腸上部に発現していますが、α-GI投与により小腸全体に発現するようになります。これらにより、糖類の吸収を遅延させ、食後血糖上昇を抑制します。

2)副作用
・低血糖
α-GI単独投与では低血糖を起こすことは少なく、低血糖時には、単糖であるブドウ糖を服用する必要があります。
・腹部症状
α-GIの投与時は、本来小腸で吸収される糖類が大腸に達するため、腹部膨満感・便秘・下痢・放屁などの腹部症状が出やすくなります。特に高齢者や腹部開腹手術歴のある症例では、腸閉塞のリスクがあるため注意が必要です。
・肝機能障害
α-GIはほとんど吸収されませんが、アカルボーズとボグリボーズではまれに劇症肝炎・重篤な肝機能障害が現れることがあります。添付文書上、アカルボーズは投与開始6か月までは月1回、その後も定期的な肝機能検査を行うこととされています。

3)臨床検査値の変動
・グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)上昇
通常、主に十二指腸〜上部小腸で糖質が吸収されます。α-GIの投与により、十二指腸・上部小腸での吸収が減少し、小腸中〜下部での吸収が相対的に増加します。その結果、上部小腸K細胞から分泌されるGIP4が抑制され、下部小腸L細胞から分泌されるGLP-1の分泌が増強されると考えられています。
・血清1.5-アンヒドログルシトール(1.5-AG)低下
アカルボーズ服用中は1.5-AGの再吸収が低下し、血清1.5-AGが低下します。機序としては、アカルボーズに特徴的なα-アミラーゼ阻害作用により、腸管での1.5-AGの再吸収が阻害されると想定されます。

▽糖尿病治療薬 α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI) のキーワード

▽次の記事、前の記事

ジぺプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬 | 糖尿病治療薬 SGLT2阻害薬

健康診断・血液検査MAP2:新着記事

鉄のホメオスタシス
生体は鉄過剰や鉄欠乏に陥らないように複数のステップで鉄の取り込みを制御しています。
続発性鉄過剰症と鉄の毒性
蓄積した鉄により生じた活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)が肝細胞障害や変異原生塩基の生成を惹起することが知られています。
単球由来マイクロパーティクル
膜小胞体は細胞の内部顆粒や膜性微粒子、および機械的破壊によって生成された膜のフラグメントを含み、マイクロパーティクル(microparticle:MP)と呼ばれています
My Nightingale マイ ナイチンゲール総合的健康状態把握
バイオマーカー測定値より算出される総合健康指標および各種健康指標
新型コロナ経口薬パキロビッドパック(Pfzer社)を特例承認
厚生労働省はファイザーが申請した「パキロビッドパック」(ニルマトレルビル・リトナビル)を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として特例承認しました
尿中コルチゾール
コルチゾールは、下垂体から分泌されるACTHの刺激を受けて、副腎皮質束状層より分泌される分子量362.5の糖質コルチコイドでACTHとの間にフィードバック関係があります
新型コロナウイルスCOVID-19のサイトカインストーム
「サイトカインストーム」は、何らかの原因によりIL-1β、IL-6、TNF-αなどの血中サイトカインの大量産生状態と、続発する全身の炎症状態を伴う過剰な免疫反応を表す言葉です
sFlt-1/PlGF比 妊婦高血圧腎症発症予測
PEの病態形成には、血管新生因子である胎盤増殖因子(PlGF)およびその阻害因子の可溶性fms様チロシンキナーゼ1(sFlt-1)が関与していることが明らかになっています
ctDNAの量と検査方法
血漿DNAの量は10ng/mL以下と微量であり、このうち腫瘍由来のctDNAは通常0.1〜1%の低頻度で含まれています
cfDNAとctDNA
cell-freeDNA(cf-DNA)は体内の細胞が死滅する際に、ゲノムDNAが細胞外に放出され血液中に短く断片化した遊離DNAです

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint