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糖質制限食により減量した肥満者では、脂質制限食により減量した肥満者よりも強くBacteroidetes/Firmicutes比(B/F比:肥満との関連から俗に善玉菌/悪玉菌とされることが多い2つの菌種の比)が高くなっています。また別のグループ研究では、エネルギー制限食と異なり糖質制限食のみがB/F比を高めていました。一方、ロカボの腸内細菌叢への影響をみる検討が行われ、教育入院2週間でのロカボの提供により、非肥満日本人2型糖尿病患者の血糖値やGA(グリコアルブミン)は改善しましたが、腸内細菌叢には有意な変化は認められませんでした。ロカボは非肥満者には体重減量をもたらさないという特徴がありますが、腸内細菌叢は代謝指標よりも体重との関係性が強いと考えられています。
糖質制限食は(極端な糖質制限食を含めて)欧米の学会に推奨されています。2012年に報告された無作為比較試験のメタ解析で、糖質制限食の有効性が認められたのは、1)体組成(体重・BMI・腹囲)、2)血圧(収縮期血圧・拡張期血圧)、3)脂質(TG・HDL-C)4)血糖(FPG・HbA1c・IRI)、5)炎症(CRP)の5点です。直接的な証拠はありませんが、心血管疾患、がん、認知症の予防・治療効果も期待されています。
また、糖質制限食の導入に伴い薬物を減らすことが推奨されています。インスリン注射やSU(スルホニル尿素)薬といった低血糖を起こしうる薬剤の減量・中止だけでなく、α-GI(α-グルコシダーゼ阻害薬)、DPP4阻害薬、グリニド薬といった埴土高血糖是正薬も不要で中止を検討すべきとされています。さらに、極端な糖質制限食をSGLT2阻害薬内服者に指導すると(正常血糖)ケトアシドーシスのリスクが高まることから中止すべきとされています。
1日の糖質摂取量を130g胃以下(エネルギー比率26%以下)にする食事が一般的な糖質制限食の定義です。糖質制限食についてわが国初の無作為比較試験の結果が報告され、極端な糖質制限食(1日の糖質摂取量を50g以下とし、ケトン体産生を是とsる食事法)を除外し、毎食後の食後高血糖のため、1食20g以上40g以下とする糖質制限食を採用し、これをロカボと称したことから、わが国では”ロカボ”という言葉で糖質制限食が普及しています。なおロカボでは1食20g以上40g以下の糖質の食事を1日3食の他、嗜好品で1日10g以下の糖質を摂取することを推奨しているので、1日の糖質量としては70g以上130g以下となります。
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