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ANCA関連血管炎は、血管炎症候群のうち血中から抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)検出される事が特徴の壊死性血管炎疾患群です。全身の小型血管に炎症をきたす全身性疾患で複数の臓器に病変が起こるため、臨床症状も多彩であることから早期診断が困難であるケースが多くみられます。特に腎臓・肺は侵されることの多い臓器のため、臓器障害の軽い段階で早期に発見することが重要となります。
ANCA関連血管炎の主な症状
・全身:発熱、全身倦怠感、体重減少、関節炎、むくみ
・神経:頭痛、しびれ感
・肺:咳、息切れ、血痰
・腎臓:血尿、蛋白尿
・眼:眼痛、結膜充血、視力低下
・耳:中耳炎、難聴
・鼻:鼻閉、鼻汁、鼻出血
・消化器:腹痛、下血
・皮膚:紫斑、網状皮斑
上記の症状・検査所見が2週間以上続く場合、ANCA関連血管炎を疑い、血液検査でANCA(MPO-ANCA・PR3-ANCA)測定を実施しスクリーニングすることが早期発見につながります。
主なANCA関連血管炎
・顕微鏡的多発血管炎(MPA)
好発年齢:55〜74歳
臨床所見:発熱、体重減少、易疲労感などの全身症状とともに組織の出血や虚血・梗塞による兆候が出現。肺胞出血や壊死性糸球体腎炎がみられ、前者では呼吸不全、後者では腎不全に移行することがある。その他、皮疹(紅斑、皮膚潰瘍、網状皮疹。皮下結節)、多発性単神経炎、関節痛、筋痛、間質性肺炎などがみられる。
ANCA関連自己抗体:MPO-ANCAが高率に出現し、病勢とも相関する
・多発血管炎性肉芽腫症(GPA)
好発年齢:男性30〜60歳代 女性50〜60歳代
臨床所見:発熱、体重減少などの全身症状とともに、以下の症状がみられる
1)上気道症状:膿性鼻漏、鼻出血、鞍鼻、中耳炎、視力低下、咽喉頭潰瘍など
2)肺症状:血痰、呼吸困難など
3)腎症状:急速進行腎炎
4)その他:紫斑、多発関節痛、多発性単神経炎など
ANCA関連自己抗体:PR3-ANCAが高率に陽性、特異性も高い(わが国ではMPO-ANCAも約半数で陽性となる)
・好酸性多発血管性肉芽腫(EGPA)
好発年齢:30〜60歳代
臨床所見
1)気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎
2)好酸球増加
3)血管炎による症状:発熱、体重減少、抹消神経炎(多発性単神経炎)、筋痛、関節痛、紫斑、胃・腸の消化管出血
ANCA関連自己抗体:約50%の症例でMPO-ANCAが検出される
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