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ANCA関連血管炎は、血管炎症候群のうち血中から抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)検出される事が特徴の壊死性血管炎疾患群です。全身の小型血管に炎症をきたす全身性疾患で複数の臓器に病変が起こるため、臨床症状も多彩であることから早期診断が困難であるケースが多くみられます。特に腎臓・肺は侵されることの多い臓器のため、臓器障害の軽い段階で早期に発見することが重要となります。
ANCA関連血管炎の主な症状
・全身:発熱、全身倦怠感、体重減少、関節炎、むくみ
・神経:頭痛、しびれ感
・肺:咳、息切れ、血痰
・腎臓:血尿、蛋白尿
・眼:眼痛、結膜充血、視力低下
・耳:中耳炎、難聴
・鼻:鼻閉、鼻汁、鼻出血
・消化器:腹痛、下血
・皮膚:紫斑、網状皮斑
上記の症状・検査所見が2週間以上続く場合、ANCA関連血管炎を疑い、血液検査でANCA(MPO-ANCA・PR3-ANCA)測定を実施しスクリーニングすることが早期発見につながります。
尿失禁や失神を起こすような自律神経障害で発病し、それが経過前半期の主要症状である多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)をシャイ・ドレーガー症候群と呼んで区別しています。 組織病理所見はオリーブ橋小脳萎縮症(olivopontocerebellar atrophy:OPCA)や線条体黒質変性症と共通であることから、同一の疾患と考えられています。この二つの病型においても、進行すると自律神経障害を伴います。
多系統萎縮症は、成年期(30歳以降、多くは40歳以降)に発症し、組織学的には神経細胞とオリゴデンドログリアに不溶化したαシヌクレインが蓄積し、進行性の細胞変性脱落を来す疾患です。初発から病初期の症候が小脳性運動失調であるものはオリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソニズムであるものは線条体黒質変性症、そして特に起立性低血圧など自律神経障害の顕著であるものはシャイ・ドレーガー症候群と各々の原著に従い称されてきました。いずれも進行するとこれら三大症候は重複してくること、画像診断でも脳幹と小脳の萎縮や線条体の異常等の所見が認められ、かつ組織病理も共通していることから多系統萎縮症と総称されるようになっています。
指定難病の1つである高安動脈炎は、大動脈弓とその分枝血管に障害を引き起こすことが多く、狭窄、閉塞を来した動脈の支配臓器に特有の虚血障害が表れたり、拡張病変による大動脈瘤が出現します。病変の生じた血管の支配領域により臨床症状が異なり、症状は多彩です。病名は、発見者の高安右人氏の名に由来しています。 患者の9割が女性で好発年齢は10歳代〜30歳代と若く、登録患者数は7000人ほどとされています。肩こりや頭痛が続いても患者自身が病気として捉えていないことが多く、受診しても若い女性によくある頭痛などとして対処されているケースもあり、実際は登録数の数倍の患者がいる可能性もあります。
・高安動脈炎を疑う8つの所見
1)40歳以下の女性
2)上肢の血圧左右差(10mmHg以上)
3)上肢の跛行
4)血管雑音(頸部、鎖骨下、腹部)
5)頸部痛
6)背部痛
7)めまい
8)歯痛
8つの所見で複数項目が該当すれば高安動脈炎を強く疑い、症状が持続する場合には血液検査でCRPや血沈などを調べて陽性ならば、高安動脈炎の可能性は高くなります。
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