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ウイルス性肝炎に対する治療が劇的に進歩し、ウイルスの排除または抑制にとる肝実質の炎症のコントロールに従って、繊維かも改善することが報告されています。また、その他の成員による慢性肝疾患でも、原因に対する治療介入によって線維化が改善するとの報告もあります。肝硬変に至っていても、治療介入によって線維化は改善の可能性はあるのですが、線維化がどの時点で不可逆的になるのかはいまだに不明です。
一般に、瘢痕組織が分厚く細胞成分が少なく、架橋構造に富むにつれて、肝線維化の不可逆性が増すと考えられています。
肝線維化の改善は主として次のような機序から生じると考えられています。
1)肝細胞の再生
肝細胞壊死が生じると、残存した肝細胞が増殖して局所における組織修復が始まります。星細胞に由来する肝細胞増殖因子(hepatocyte growth factor:HGF)や上皮増殖因子(epidermal growth factor:EGF)などの増殖因子がこの過程を刺激します。
2)活性化星細胞から静止型星細胞への逆行
肝線維化の改善過程において活性型星細胞の半分はアポトーシスを免れており、線維産生遺伝子の発現が抑制され、静止型と完全に同じではないものの、それと似た表現型を獲得していることが示されました。しかし、この逆行した、あるいは非活性化した星細胞は、再び線維産生性刺激が加わると、これに反応して再び強く活性化する準備状態にあります。
3)アポトーシスによる活性化星細胞の除去
活性化星細胞は、Fas,TNFR1(TNF receptor1)、NGFR(nerve growth factor receptor,p75NTRとしても知られる)、TRAIL受容体などのデスレセプターを発現し、それらがリガンドと結合することでアポトーシスが生じます。TNFやIL-1βなどの炎症誘発性サイトカインはNF-κBの活性化を介して星細胞をアポトーシスに導きます。
4)活性化星細胞の細胞老化
肝硬変患者の肝臓に老化星細胞が存在することが知られており、星細胞の老化は、線維化の抑制機構としての役割を有している可能性があります。
5)蓄積したECM物質の分解
星細胞の分泌するMMP-1は、細胞外マトリックス(extracellular matrix:ECM)の主要構成成分であるI型コラーゲンを分解する最も重要なコラゲナーゼであり、線維化改善における主要因子です。MMPの活性調節は、MMPに結合するTIMPに依存していると考えられており、星細胞はTIMP-1、2をともに産生するため、MMPとTIMPの発現調節は肝線維化改善のカギになると考えられます。
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