細胞外マトリックス ECM

。活性化星細胞は肝障害に対する反応として線維産生を行い、肝線維化を進行させます。肝障害が消失すると、活性化星細胞は細胞老化・不活性型への逆行・アポトーシスなどの機序によって除去されます。

細胞外マトリックス ECM

肝実質の病態におけるコラーゲン産生の責任細胞は活性化星細胞であると考えられています。類洞に存在する星細胞は肝細胞側のDisse腔に配置し、細胞体から延びる枝状の突起で類洞内皮細胞を包囲し、一方で肝細胞とも接しています。星細胞の主な機能は、正常肝ではビタミンAを肝細胞から受け取り貯蔵することであり、レチノールは必要に応じて星細胞から肝細胞あるいは循環血中へと運搬されて抹消組織でレチノイン酸として核受容体に結合して機能します。また、エンドセリン、一酸化窒素、一酸化炭素などの血管作動性メディエーターへの暴露に応じて収縮・弛緩することによって、類洞の微小循環を調節します。

肝臓が障害を受けると、星細胞は活性化してその機能や形態を劇的に変化させ、筋線維芽細胞様の活性化星細胞に変化します。活性化星細胞では貯蔵ビタミンAは減少・消失し、細胞骨格蛋白質であるデスミンやα-平滑筋アクチン(α-smooth mauscle actin:α-SMA)が増加することで収縮能が増強し、I型コラーゲンを主体とする細胞外マトリックス(extracellular matrix:ECM)物質を過剰に産生します。
静止型の星細胞は正常肝では代謝調節において重要な役割を果たしていますが、肝障害が起こると星細胞は活性化し、表現型を変化させます。活性化星細胞は肝障害に対する反応として線維産生を行い、肝線維化を進行させます。肝障害が消失すると、活性化星細胞は細胞老化・不活性型への逆行・アポトーシスなどの機序によって除去されます。

▽細胞外マトリックス ECM のキーワード

▽次の記事、前の記事

若い女性の慢性頸部痛は高安動脈炎の可能性 | 星細胞活性化の機序 一過性肝障害の場合

健康診断・血液検査MAP-2:新着記事

MALDI-TOF MS 質量分析装置を利用した細菌同定
質量分析装置を利用することによって、コスト面で躊躇なく同定検査に進むことができ、一般細菌のみならず抗酸菌、真菌が約10分で同定可能になりました。また、アンチバイオグラムとの併用で、適正かつ迅速な抗菌薬選択に寄与できます。
抗二本鎖DNA抗体に関する推奨14〜18
ANA検査に関する推奨の14〜18は、抗二本鎖DNA抗体の測定に関する内容です
ANA検査に関する推奨1〜13 補足
ANA検査に関する推奨の1〜13は膠原病を診断するANAスクリーニング検査についての内容です。
抗核抗体(ANA)と抽出核抗原(ENA)という表記
一般に抗核抗体と呼ばれる、細胞成分に対する自己抗体試験に関する25項目の推奨では、その記載にあたり、まず最初にANAと抽出(可溶性)核抗原(extractable nuclear antigen:ENA)についての言及があります。
抗核抗体ANA検査の推奨recommendationの必要性
3段階で行われた推奨決定のプロセスの最終段階ではDelphi法が用いられており、最終結論として表示されている25項目の推奨にはそれぞれにDelphi score(mean±SD)も記載されています。
ANA 自己抗体検査に関する25項目の推奨
一般に抗核抗体と呼ばれる、細胞成分に対する自己抗体検査に関する25項目の推奨
IDH1/2遺伝子解析 グリオーマ
神経膠腫のIDH1遺伝子のコドン132、IDH2遺伝子のコドン172の変異を解析します。
自己免疫性膵炎 膵外病変の病態と関連した検査
下垂体炎は、視神経圧迫、汎下垂体機能低下症。抗利尿ホルモン分泌異常症(SIADH)、副腎機能低下症などの多彩な症状を認めます。MRI検査では下垂体、下垂体茎の腫大を認めます
自己免疫性膵炎の病態と関連した検査
自己免疫性膵炎では膵頭部腫大による下部胆管狭窄・閉塞をきたし、閉塞性黄疸で初発することが多いため、ビリルビン、胆道系酵素、アルカリフォスファターゼ、γ-GTP、の上昇を70〜80%に認めます。
自己免疫性膵炎
自己免疫性膵炎は、IgG4が関連するLPSP(lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis)が1型、GELを認めるものが2型と分類されています。

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint