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NASH/NAFLDの線維化診断におけるM2BPGi

M2BPGi(Mac-2 binding protein glycosylated isomers:Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体)はNAFLDにおいても線維化進展に伴い上昇することが報告され、M2BPGi中央値(C.O.I)はF0:0.46、F1:0.66、F2:0.93、F3:1.28、F4:1.98と線維化が進展するにつれて増加しています。

NASH/NAFLDの線維化診断におけるM2BPGi

肝臓は薬物やアルコールの代謝や解毒、胆汁の合成、凝固因子やアルブミンをはじめとする蛋白質の合成、糖の貯蔵や新生、脂質代謝などを司る重要な臓器で、重量1,200〜1,500gに達する大きな臓器です。肝機能の障害は、特にに初期段階においては明白な自覚症状が現れないことが多いため、臨床検査による早期発見が重要になります。
代表的な肝疾患であるB型・C型肝炎では放置すれば慢性肝炎・肝硬変・肝細胞癌に進行し得る疾患であり、早期発見と治療、予防が重要です。
一方で「脂肪肝」は、アルコール多飲を原因とする例が多い(アルコール性脂肪肝)とされてきましたが、近年、飲酒歴が無くても肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病を背景とした、非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty lier disease:NAFLD)が増加傾向にあります。NAFLDの中で、進行性で予後不良なものを、非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)、炎症や線維化を伴わない予後良好なものを、非アルコール性脂肪肝(non-alcoholic fatty liver:NAFL)と定義されています。

NAFLDは糖質の過剰摂取と関連深いため、メタボリックシンドロームや糖尿病、高血圧などの様々な生活習慣病を合併することが多く、無自覚のまま慢性肝炎から肝硬変、肝癌へと進展するため、ウイルス性肝炎とともに命に関わる肝疾患として注目されています。
NASHとNAFLの鑑別診断は、肝生検がゴールデンスタンダードですが、病理医間でも判定が異なることがあります。従来の線維化マーカーではFIB-4 indexなど年齢・BMI・空腹時血糖・AST/ALT・血小板・アルブミン・血清鉄から計算していますが、いずれも肝生検の代替可能な評価法は存在しません。
M2BPGi(Mac-2 binding protein glycosylated isomers:Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体)はNAFLDにおいても線維化進展に伴い上昇することが報告され、M2BPGi中央値(C.O.I)はF0:0.46、F1:0.66、F2:0.93、F3:1.28、F4:1.98と線維化が進展するにつれて増加しています。

肝生検による肝線維化ステージ(新犬山分類)
F0:線維化なし
F1:門脈域の線維性拡大
F2:線維性架橋形成
F3:小葉のひずみを伴う線維性架橋形成
F4:肝硬変

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