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プロコラーゲンIIIペプチド(P-III-P)

コラーゲンが生成される際、プロコラーゲンから遊離するペプチド。肝炎から肝硬変への進展時に、肝臓の線維化を示す指標。

プロコラーゲンIIIペプチド(P-III-P)

プロコラーゲンは、コラーゲンの合成過程における前駆体で、ペプチド鎖のN末端とC末端にプロコラーゲンペプチドを有しています。細胞内で作られたプロコラーゲンは細胞外に分泌され、両末端のペプチドがプロコラーゲンペプチターゼにより特異的に切断されコラーゲンとなります。現在12種類以上の存在が知られているコラーゲンは、体内の蛋白質の30%以上を占め、細胞外マトリックスを形成する重要な蛋白質です。このうちIII型プロコラーゲンペプチドは抗原性が高く、検出が容易なため、臨床応用されるようになりました。

血清中のP-III-Pが増加する要因として、
1)臓器線維症による肝組織などへの異常蓄積により血中に逸脱するもの
2)自己免疫疾患などでコラーゲン分子に対する免疫反応によるもの
3)遺伝的にコラーゲン代謝のプロセスに異常があるもの
などが知られています。

P-III-P(procollagen peptide typeIII)は、肝疾患の診断、特に肝の線維化マーカーとして用いられます。急性肝炎ではALT(GPT)と並行して動くといわれ、肝細胞の炎症や壊死を反映しています。慢性肝炎、肝硬変とも活動性の高い症例ほど高値をとることが多く、アルコール性肝疾患においては、脂肪肝ではあまり高値にはならず、線維化の程度が高い症例ほど高値になるといわれています。
肝線維化の評価は、肝生検による組織学的な所見によるのが確実ですが、生検は頻回に行うことが出来ません。そこで、P-III-Pの測定は肝内の線維化の程度、特に線維化進展の活動性を知る有効なマーカーであるといえます。

検査材料:血清
測定方法:CLIA
基準値:単位(ng/mL)3.62〜9.52

高値を示す病態
肝癌、肝硬変、急性肝炎、慢性肝炎(活動性)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性・転移性肝癌、アルコール性肝障害、自己免疫疾患(関節リウマチ、全身性進行性強皮症)、肺線維症 など

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