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肝線維化マーカー M2BPGi

慢性肝炎から肝硬変への進展度を推定する新しい血中指標。肝線維化に伴う糖鎖構造部分の変化を特異的に検出します。

肝線維化マーカー M2BPGi

M2BPGi(Mac-2 binding protein glycosylated isomers:Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体)は、Mac-2結合蛋白(M2BP)という糖蛋白に着目した新しい肝線維化の指標であり、2015年1月に新規保険収載されました。肝臓の線維化が進行すると、M2BP蛋白に付着した糖鎖構造部分に変化が現れ、レクチンという特定の糖鎖を認識する蛋白でこれを検出しています。
肝の線維化マーカーとして血中濃度が測定される「ヒアルロン酸」や「IV型コラーゲン」「プロコラーゲンIIIペプチド」は、肝の線維化以外にも関節リウマチなどの自己免疫疾患等で上昇することがありますが、M2BPGiは肝線維化に特異的で、他疾患で高値になることはまれであり、また肝線維化の進行と高い相関を持つとされ、肝硬変から肝癌への発症予測や肝癌切除術後生存の術前予測にも有用との報告があります。

肝炎から肝硬変への進行度を表す「肝線維化」の指標には、古くから「肝生検」がゴールド・スタンダードとして用いられてきましたが、肝細胞を穿刺するという侵襲的な検査のため肉体的負担が大きく、危険もありました。このM2BPGiは、特異性が高く単純な採血で評価できる検査項目として期待されています。

検査材料:血清
測定方法:CLEIA
基準値:陰性(−) 1.00 未満 (C.O.I)

高値を示す病態
肝硬変などの肝線維化疾患

陰性(−) 1.00 未満 :非慢性肝炎
陽性(1+) 1.00〜2.99:慢性肝炎
陽性(2+) 3.00 以上 :肝硬変

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