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NASHの診断・予後予測に期待される血中マーカーTSP-2 - 肝臓疾患

肝臓関連疾患や検査についてまとめています

NASHの診断・予後予測に期待される血中マーカーTSP-2

非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)はメタボリックシンドロームの肝臓における表現形と言われるように、肥満患者の増加に伴って近年急増し、その有病率は世界人口の約25%にも及んでいます。病態が進むと肝硬変や肝癌を引き起こし、肝線維化の進展が生命予後に大きく影響することが知られているため、NAFLDの中でも進行性のNASHを適切に診断するとともに、肝線維化高度進展例を正しく拾い上げる必要があります。

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オートタキシン 初期の肝線維化を判別

オートタキシン(ATX)はリン脂質代謝酵素であり、リゾホスファチジルコリン(LPC)を分解し、臓器の線維化を引き起こすことが知られているリゾホスファチジン酸(LPA)を産生します。線維化などの肝障害によりオートタキシンの代謝阻害が起こることでオートタキシンが血中に滞留し、さらに LPAが上昇し線維化が進みます。 オートタキシンは肝線維化の初期段階から病態を把握でき、Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体 よりも早期に上昇するという報告もあります。

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肝線維化の改善

ウイルス性肝炎に対する治療が劇的に進歩し、ウイルスの排除または抑制にとる肝実質の炎症のコントロールに従って、繊維かも改善することが報告されています。また、その他の成員による慢性肝疾患でも、原因に対する治療介入によって線維化が改善するとの報告もあります。肝硬変に至っていても、治療介入によって線維化は改善の可能性はあるのですが、線維化がどの時点で不可逆的になるのかはいまだに不明です。
一般に、瘢痕組織が分厚く細胞成分が少なく、架橋構造に富むにつれて、肝線維化の不可逆性が増すと考えられています。
肝線維化の改善は主として次のような機序から生じると考えられています。

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肝臓疾患 のアイテム
星細胞活性化の機序 慢性肝障害の場合
ウイルス感染や脂肪性肝炎などの炎症が慢性化すると、AP-1やJNKなどの転写因子の持続活性化とともに星細胞も持続活性化し、組織にI型コラーゲンが蓄積します。
星細胞活性化に関与する細胞 肝細胞
様々な原因によって肝細胞が障害されると、活性酸素、hedgehog ligands、ヌクレオチドなどをメディエーターとして、炎症と線維かが促進されます。
NASH/NAFLDの線維化診断におけるM2BPGi
M2BPGi(Mac-2 binding protein glycosylated isomers:Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体)はNAFLDにおいても線維化進展に伴い上昇することが報告され、M2BPGi中央値(C.O.I)はF0:0.46、F1:0.66、F2:0.93、F3:1.28、F4:1.98と線維化が進展するにつれて増加しています。
肝線維化マーカー M2BPGi
慢性肝炎から肝硬変への進展度を推定する新しい血中指標。肝線維化に伴う糖鎖構造部分の変化を特異的に検出します。
肝線維化評価バイオマーカー FIB-4 index
複数の血液検査の結果を組み合わせて肝線維化を推定する、線維化評価法の中では、FIB-4indexが実臨床で最も使用されています。
プロコラーゲンIIIペプチド(P-III-P)
コラーゲンが生成される際、プロコラーゲンから遊離するペプチド。肝炎から肝硬変への進展時に、肝臓の線維化を示す指標。
星細胞の活性化に関与する細胞 マクロファージ系細胞
肝臓では、マクロファージ系細胞は、Kupffer細胞と単球由来マクロファージに大別されます。
星細胞の活性化に関与する細胞 NK細胞・NKT細胞
NK細胞は、インターフェロンγ産生を介する活性化星細胞・老化星細胞の殺傷に加え、デスレセプターリガンドの産生による星細胞のアポトーシス誘導によって、繊維化抑制的な性質を示します。
星細胞活性化に関与する細胞 類洞内皮細胞・血小板・B細胞
血小板は、肝線維化を促進するPDGF-BBやTGF−βの主要な供給源であり、慢性肝疾患において星細胞の活性化に関与しています。
星細胞活性化の機序 一過性肝障害の場合
肝炎ウイルス感染やアルコール摂取、脂肪沈着などで肝細胞が壊死して脱落すると、局所に微小な出血が生じ、血小板凝集とフィブリン形成で一時的に傷がふさがれます。
細胞外マトリックス ECM
。活性化星細胞は肝障害に対する反応として線維産生を行い、肝線維化を進行させます。肝障害が消失すると、活性化星細胞は細胞老化・不活性型への逆行・アポトーシスなどの機序によって除去されます。
肝線維化とは
肝線維化は、ウイルス肝炎・アルコール性肝障害・自己免免疫性肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎など種々の病因に対する生体防御の結果として生じる病態です。

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