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治療薬物モニタリングTDMにおけるトラフ値とピーク値

薬物を連続して投与した場合、次回投与直前の血中濃度は投与間隔のなかで最も低い値となります。この血中濃度が最も低い時の値をトラフ値といいます

治療薬物モニタリングTDMにおけるトラフ値とピーク値

薬物を連続して投与した場合、次回投与直前の血中濃度は投与間隔のなかで最も低い値となります。この血中濃度が最も低い時の値をトラフ値といいます。
抗メシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)薬のバンコマイシン(VCM)、テイコプラニン(TEIC)、および抗真菌薬のボリコナゾール(VCZ)の安全性・有効性の指標として、またアミノグリコシドの安全性(腎障害)の指標として用いられるトラフ(trough)とは谷や溝の意味で、投与ごとにっできる血中濃度の山と山の間の最も低い部分を指します。また、点滴終了直後の血中濃度は投与間隔のなっかで最も高く、ピーク値と呼ばれます。ただし、薬物が組織へ分布するのに要する時間が長いVCMなどは、点滴終了直後から薬物は組織に分布し、血中濃度は短時間で著しく低下するため、この分布相(α相)が終わる点滴終了後1〜2時間後をピーク値とします。同様に、アミノグリコシド系抗菌薬も分布に1時間かかることから、点滴終了後30分の血中濃度をピーク値とします。

・バンコマイシン(VCM)
MRSAやメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)などの治療に用いられるVCMは、トラフ値が有効性・安全性の指標となり、10〜20
μg/mLが目標血中濃度となります。ピーク値の測定については、現在の国内外のTDMガイドラインでは推奨されていません。
・テイコプラニン(TEIC)
VCMと同様にMRSAなどの治療に用いられ、トラフ値が有効性と安全性の指標とされます。目標トラフ濃度は15〜30μg/mLが推奨され、重症例および感染性心内膜炎や骨関節感染症などの複雑性感染症に対しては20〜30μg/mLが目標となります。ピーク値の測定は行わない。
・アミカシン(AMK)、ゲンタマイシン(GM)、トブラマイシン(TOB)
主にグラム陰性菌に対して用いられるAMK、GM、TOBは、アミノグリコシド系抗菌薬に分類され副作用(腎毒性)の指標としてトラフ値を用います。目標トラフ値はAMK:4μg/mL未満、GM・TOB:1μg/mL未満です。
・アルベカシン(ABK)
MRSA感染症に適応のあるABKはアミノグリコシド系抗菌薬に分類されます。トラフ値が腎毒性の指標となり、1〜2μg/mL未満が目標血中濃度で、有効性の指標であるピーク値は15〜20μg/mLです。
・ボリコナゾール(VCZ)
抗真菌薬VCZは、臨床効果が乏しい場合や安全性の懸念がある場合にTDMが推奨されており、TDMの適応が若干異なります。静注製剤と経口製剤があり、経口製剤の吸収はよくバイオアベイラビリティが高いことから、同一用量で切り替えることができますが、食事による影響や、経口剤への変更に伴う血中濃度低下の報告もあることから、経口剤へ変更する際はTDMを考慮するとされています。
トラフ値が有効性・安全性の指標とされます。目標トラフ値は有効性の指標が1〜2μg/mL以上、安全性の指標は4〜5μg/mL未満で、この範囲内で血中濃度をコントロールします。

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