') ?> 治療に用いられる抗凝固薬 - 健康診断・血液検査MAP2

治療に用いられる抗凝固薬

DOACの登場は内服の簡便さの観点から抗凝固薬の革命ともいえます。しかしモニタリングの標準化はワルファリン以外は今後の課題となっています。

治療に用いられる抗凝固薬

抗凝固薬は、ビタミンK依存性凝固因子の産生を抑制するワルファリン、アンチトロンビン(AT)の抗凝固活性に依存するヘパリン、ヘパリン類似物質およびトロンビン、活性化第X因子(FXa)を直接阻害する合成製剤(直接経口抗凝固薬:DOAC)アルガトロバンに大別されます。特にDOACの登場は内服の簡便さの観点から抗凝固薬の革命ともいえます。しかしモニタリングの標準化はワルファリン以外は今後の課題となっています。

・ワルファリン
ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子の産生を抑制。内皮下組織のコラーゲンにアンカーされたvon Willebrand因子との結合によって活性化した血小板膜上にはスクランブラーゼの作用により糖脂質であるフォスファチジルセリンが表出します。循環血液中のビタミンK依存性凝固因子はビタミンK依存性に形成される分子内のGlaドメインがカルシウムイオンを介してこのフォスファチジルセリンに高い親和性をもち、血小板膜上に結合します。この複合体はプロトロンビナーゼ複合体と呼ばれます。同様に活性化血小板膜上における活性化第IX因子とその基質となる第X因子、補酵素である第VIII因子はテナーゼ複合体と呼ばれます。血小板は一次止血の役割とともに、血液の3次元+流れの位相を血小板膜上の2次元の位相に変換して酵素・基質複合体の形成を著しく促進します。
適応:血栓塞栓症(静脈血栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、緩徐に進行する脳血栓症など)の治療および予防。ただし、プロテインC、プロテインSもまたビタミンK依存性の凝固抑制蛋白質であるため、ワルファリン投与初期に急速なプロテインC、プロテインSの低下によって血栓症が悪化することがあります。したがって、ワルファリンの投与初期にはヘパリンなどの抗凝固薬との併用により慎重に投与量を増やす必要があります。
モニタリングに用いる検査:プロトロンビン時間(PT)の国際標準化比
(INR))が推奨される。

▽治療に用いられる抗凝固薬 のキーワード

▽次の記事、前の記事

ネコひっかき病 Bartonella henselae感染症 | リチウム 双極性障害・躁状態の治療薬

健康診断・血液検査MAP2:新着記事

リチウム 双極性障害・躁状態の治療薬
双極性障害・躁状態の治療薬。中毒の予防と服薬コンプライアンスを見る目的で血中濃度を測定
治療に用いられる抗凝固薬
DOACの登場は内服の簡便さの観点から抗凝固薬の革命ともいえます。しかしモニタリングの標準化はワルファリン以外は今後の課題となっています。
ネコひっかき病 Bartonella henselae感染症
ネコひっかき病(cat scratch disease:CSD)は、おもにネコからヒトに伝播する人獣共通感染症で、その主要原因菌はBartonella henselaeです
鉄のホメオスタシス
生体は鉄過剰や鉄欠乏に陥らないように複数のステップで鉄の取り込みを制御しています。
続発性鉄過剰症と鉄の毒性
蓄積した鉄により生じた活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)が肝細胞障害や変異原生塩基の生成を惹起することが知られています。
単球由来マイクロパーティクル
膜小胞体は細胞の内部顆粒や膜性微粒子、および機械的破壊によって生成された膜のフラグメントを含み、マイクロパーティクル(microparticle:MP)と呼ばれています
My Nightingale マイ ナイチンゲール総合的健康状態把握
バイオマーカー測定値より算出される総合健康指標および各種健康指標
新型コロナ経口薬パキロビッドパック(Pfzer社)を特例承認
厚生労働省はファイザーが申請した「パキロビッドパック」(ニルマトレルビル・リトナビル)を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として特例承認しました
尿中コルチゾール
コルチゾールは、下垂体から分泌されるACTHの刺激を受けて、副腎皮質束状層より分泌される分子量362.5の糖質コルチコイドでACTHとの間にフィードバック関係があります
新型コロナウイルスCOVID-19のサイトカインストーム
「サイトカインストーム」は、何らかの原因によりIL-1β、IL-6、TNF-αなどの血中サイトカインの大量産生状態と、続発する全身の炎症状態を伴う過剰な免疫反応を表す言葉です

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint