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ステロイドは肝臓における糖新生の増加、膵臓におけるインスリン分泌能の低下、食欲亢進作用、抹消組織におけるインスリン分泌能の増大を介して血糖値を上昇させます。ステロイドによるインスリン抵抗性は各組織で異なる反応を示すため、抹消組織ではインスリン抵抗性増大による脂肪分解により、四肢はやせ細る一方で、顔や頸部での脂肪合成が促進され、中心性肥満や満月様顔(ムーンフェイス)が生じます。ステロイドによる高血糖は投与数ヶ月で発現しますが、ステロイドのパルス療法を行った場合は、投与数時間で高血糖を認めます。糖尿病を基礎疾患として持つ患者に対してステロイド投与をする場合、ヘモグロビンA1c(HbA1c)や空腹時血糖の上昇を認める可能性があるため、綿密な経過モニタリングが必要になります。
ステロイドは肝臓での中性脂肪、VLDLの合成を促進させ、脂肪組織からの遊離脂肪酸を放出させます。これによりコレステロール、中性脂肪の上昇を引き起こします。このようなステロイドによる高コレステロール血症、高脂血症は心血管イベントの発現リスク増大につながります。どの程度のステロイド量が血清脂質に重大な影響を与えるかについては様々な報告がありますが、プレドニゾロン換算で5〜10mgを長期に使用する場合は、脂質異常症のみならず、肥満や耐糖異常について定期的なモニタリングを行う必要があります。
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