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ステロイドは、飽和四環炭化水素からなるステロイド核を有し、生体内で産生される生理活性物質であるコルチゾールはGR(グルココルチコイド受容体)に作用するのみでなく、ミネラルコルチコイド受容体にも結合し両者の作用を発揮します。ミネラルコルチコイド受容体にコルチゾールが結合すると、ナトリウムおよび水の貯蔵、カリウム排泄が亢進します(ミネラルコルチコイド作用:MC作用)。一般に”薬”としてステロイドを使用する場合、GRに対する作用(グルココルチコイド作用:GC作用)のみを期待することがほとんどです。
GC作用を期待してコルチゾールを大量に投与すると、MC作用が強く発現してしまいます。そこで”薬”として臨床で使用されているステロイドは、コルチゾールの骨格をもとに合成された、MC作用を減弱し、GC作用を増強させた化合物です。
臨床におけるステロイドの強さは、ステロイドと結合し活性化したGR量に反映されるため、各合成ステロイドの力価の違いはGRとの親和性の違いと考えられます。そのため、GRの親和性をGC作用と考え、合成ステロイド間で力価換算が可能となります。
主な合成ステロイドの特徴
ステロイド名:(半減期時間):GC作用力価比:MC作用力価比:概算同等量mg
コルチゾール:(8〜12):1:1:20
プレドニゾロン:(12〜36):4:0.8:5
メチルプレドニゾロン:(12〜36):5:<0.01:4
デキサメタゾン:(36〜72):25:<0.01:0.75
1)プレドニゾロン
GC作用はコルチゾールの4倍ですが、MC作用は相対的に弱く、生物学的半減期がコルチゾールより延長しているため、臨床応用に適しステロイド治療において広く用いられています。MC作用も若干残存しているため、大量投与(パルス療法)には適していません。製薬として5mg製剤や1mg製剤が使用されています。
2)メチルプレドニゾロン
GC作用はプレドニゾロンと同程度かやや強いが、MC作用が大きく減弱しています。そのため大量投与(パルス療法)に適しています。製剤として25mg製剤から1,000mg製剤までが使用されます。
3)デキサメタゾン
GC作用は極めて強く、半減期も36〜72時間と長時間に及び、MC作用もほとんど示さないため、大量投与に適しています。強いGC作用により、主に癌化学療法時の制吐効果や造血器腫瘍患者における抗腫瘍効果を期待して使用されます。
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