ヘパリンは、アンチトロンビンや組織因子経路インヒビター(tissue factor pathway inhibitor:TFPI)を介して、セリンプロテアーゼ基を有する多くの凝固因子活性を抑制します。低分子ヘパリンは安全域が広く、投与量で抗凝固作用を推定できるので評価指標はありませんが、未分画ヘパリンは個人差が大きく、抗凝固状態の評価は必須です。その評価には活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)が用いられますが、APTTは標準化されていないので、基準値や前回値と比較して、1.5~2.5倍を目安に抗凝固療法が行われます。
大出血を回避するために、上限が2.0倍を超えないようにするという意見もあります。
秒数で表示する場合、前回値が30秒と仮定するなら、45~60秒、あるいは45~75秒を目安に投与量を調整します。
ACT(activated clotting time)も、循環器疾患の急性期管理や心臓手術時にしばしば用いられますが、誤差が生じやすく測定に注意が必要です。またACTは保険適用がありません。
ヘパリンの中和には、硫酸プロタミンが用いられます。
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