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非ステロイド性抗炎症薬NSAIDsの副作用と検査値への影響

アスピリンなどのCOX非選択的阻害薬は、COX-1阻害による胃粘膜障害を引き起こします。

非ステロイド性抗炎症薬NSAIDsの副作用と検査値への影響

1)胃粘膜障害
アスピリンなどのCOX非選択的阻害薬は、COX-1阻害による胃粘膜障害を引き起こします。一方で、ロキソプロフェンなどのプロドラッグは、それ自体は活性を示しませんが、体内で吸収後、代謝されて活性体に変化する薬物であり、活性体の胃粘膜への暴露が少ないという特徴があります。また、炎症反応時に重要なCOX-2のみを選択的に阻害するCOX-2阻害薬は、COX非選択的NSAIDsにより胃粘膜障害の頻度は低いとされています。NSAIDsを長期間内服時に貧血を認めた場合は、NSAIDs潰瘍による消化管出血を鑑別の1つに加える必要があります。NSAIDsによる胃粘膜障害を予防するために、プロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬などの胃酸分泌抑制薬や粘膜防御因子増強薬、PEG1製剤を併用することが多くみられます。

2)急性腎障害
NSAIDsによるPGの産生抑制は、抗炎症作用を示すと同時に、血管拡張作用のあるPG類の合成も抑制します。腎臓の輸入細動脈はPG類による血管拡張・収縮によって制御されており、NSAIDsはPG類の合成を阻害することで輸入細動脈を収縮させ、腎血流量を低下させます。この腎での虚血により、急性腎障害が発現します。特に高齢者は。加齢により腎血流量が低下しているため、NSAIDsによる急性腎障害の発現リスクが高くなります。そのため、高齢者に漫然とNSAIDsを投与する時は、定期的な腎異能のモニタリングが必要になります。

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