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2011年わが国においても細菌同定技術は革新的な変化を遂げ、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(matorix-assisted laser desorption/ionization,time of flight,mass spectrometry:MALDI-TOF MS)すなわち質量分析装置が欧州から導入されました。質量分析装置にはMALDIバイオタイパー(ブルカージャパン社)とVITEX MS(ビオメリュー・ジャパン社)があり、わが国でも。現時点で約150施設がこれらによる同定検査を開始しており、近い将来主流となることは疑う余地はありません。
微生物検査は、強毒性の病原細菌のみならず、極めて弱毒な細菌や真菌おも同定対象としています。高齢者をはじめ。悪性腫瘍、糖尿病。心疾患などの基礎疾患を有し免疫機能が低下した状態では、平素無害な常在細菌や環境菌が日和見感染症の起炎菌となります。そのため幅広い細菌や真菌の菌種同定が求められています。
菌の菌種同定が求められています。
細菌同定には細胞壁組成やキノン分子種などの化学分類指標、蛋白分析、DNA-DNA hybridizationなどの複雑な手法が用いられることもありますが、臨床微生物検査においては患者治療を目的とするため、正確かつ迅速な菌種同定および抗菌薬感受性検査が要求されます。標準化を実現した自働同定・薬剤感受性検査機器も開発されましたが、その同定技術の基本原理は同定分類の本質である生化学的性状試験によるものであり、グラム染色像や集落性状などの形態観察を行い、総合的に菌種同定する古典的な方法が用いられています。
質量分析装置を利用することによって、コスト面で躊躇なく同定検査に進むことができ、一般細菌のみならず抗酸菌、真菌が約10分で同定可能になりました。また、アンチバイオグラムとの併用で、適正かつ迅速な抗菌薬選択に寄与できます。
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