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・エドキサバン
直接抗Xa阻害薬であるエドキサバンのバイオアベイラビリティは60%であり、血漿中の濃度は内服後1〜1.5時間でピークに達し、半減期は6〜11時間です。その35〜39%は腎より排泄されます。
1)PTを血中濃度依存性に延長させますが、その感受性は治療域の低いレベルでは十分ではなく、また感受性のPT試薬間差は大きいとされています。PTの延長を認めた場合ほかに理由がなければエドキサバンの治療効果を示していますが、PTが正常範囲であることがリバロキサバンを内服していること、あるいは過剰な血中濃度を否定できるものではありません。
2)APTTを用量依存性に延長させますが、その感受性はPTよりも弱いとされています。
3)適応:非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓)の治療および再発抑制、下肢整形外科手術(膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術)施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制。
・ヘパリン
ヘパリンは硫酸基に富むグリコサミノグリカンであり、コア蛋白に結合したプロテオグリカンとして産生されます。血流中のアンチトロンビン(AT)と結合し、ATの抗凝固活性を著しく増強します。
ATはFXIIa、FXIa、FXa、FIXa、FVIIa、トロンビンと複合体を形成して酵素活性を阻害します。臨床的にはFXaとトロンビンの阻害が重要で、未分画ヘパリンは分子量5,000〜20,000の不均一な分画を含んでおり、ATの抗トロンビン作用を約1,000倍に、抗Xa作用を約300倍に増強します。抗トロンビン活性の増強のためには、分子量5,000以上が必要であるため、分子量約5,000の低分子ヘパリンは抗トロンビン作用は弱く、主に抗Xa作用を増強します。
適応
1)未分画ヘパリン
播種性血管内凝固症候群(DIC)の治療、血液透析・人工心肺その他の体外循環装置使用時の血液凝固の防止、血管カテーテル挿入時の血液凝固の防止、血栓塞栓症(静脈血栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、四肢動脈血栓塞栓症、手術中・術後の血栓塞栓症など)の治療および予防。
2)ヘパリンカルシウム
DICの治療、血栓塞栓症(静脈血栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、四肢動脈血栓塞栓症、手術中・術後の血栓塞栓症など)の治療および予防。
3)低分子ヘパリン
血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)、DIC
4)副作用
ヘパリンと血小板第4因子が結合してPF4高次構造が変化することにより、ヘパリン-PF4複合体に対して生じた自己抗体の一部が血小板を活性化して血小板減少と血栓症を発症するヘパリン起因性血小板減少症(HIT)に留意が必要です。
・ダナバロイド
ヘパラン硫酸が主成分のヘパリノイド(ヘパリン類似物質)です。抗Xa活性/抗トロンビン活性比は22:1です。
1)適応:DIC
2)副作用:ヘパリンと同様にHITの発症に留意が必要です。
・フォンダパリヌクス
フォンダパリヌクスナトリウムは分子量1,728の硫酸ペンタサッカライドのナトリウム塩(合成製剤)で、ATに選択的かつ特異的に結合し、ほぼXa活性のみを有します。抗Xa活性/抗トロンビン活性比は7,400:1です。
1)適応:静脈血栓塞栓症の発現リスクの高い、下肢整形外科手術施行患者・腹部手術施行患者の静脈血栓塞栓症の発症抑制。
・アルガトロバン
分子量530の合成トロンビン薬です。AT非依存性に作用を発揮します。肝臓で代謝されるため、肝不全症例に対して投与する場合には血中濃度が著しく上昇してPT・APTTが著しく延長します。
1)適応
発症後48時間以内の脳血栓症急性期(ラクネを除く)に伴う神経症候(運動麻痺)、日常生活動作(歩行・起立・座位保持・食事)の改善、慢性動脈閉塞症(Buerger病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍、安静時疼痛ならびに冷感の改善、先天性AT欠乏患者、AT低下を伴う患者。HIT2型(発症リスクのある場合を含む)における経皮的冠インターベンション施行時の血液の凝固防止、HIT2型における血栓症の発症抑制。
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