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DOAC(direct oral anti coagulants)の内服症例に対する凝固検査の際は、内服からの時間・腎機能など全身状態の把握とともに、施設ごとの試薬のDOACに対する感受性を考慮に入れて結果を判断することが必要です。
・ダビガトラン
ダビガトランは非活性化体のプロドラッグであり、エステラーゼによって内服後、速やかに直接トロンビン阻害薬に変換されます。肝薬物代謝酵素P-450による代謝を受けず、約80%が腎臓で代謝され、半減期は12〜14時間です。吸収は速やかですが、薬物が全身循環に到達する指標であるバイオアベイラビリティは6.5%のP-糖蛋白の基質です。
1)活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は延長するケースが多く、血中濃度との相関は良好とはいえません。特にAPTTが高値になるほどその相関は弱くなります。APTTの試薬間差が大きく、全ての試薬がAPTTに感受性を示すとは限りません。
2)PTはダビガトランの有効血中濃度において感受性は低いとされています。
3)適応:非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制。人工心臓弁置換術後の抗凝固療法には使用してはならない。
・リバロキサバン
リバロキサバンはFXaの拮抗阻害薬であり、バイオアベイラビリティは10mg内服の場合は80〜100%、20mg内服の場合は66%です。内服後の血中濃度は2〜4時間後にピークとなります。33%が腎臓より排泄され半減期は9〜13時間ですが内服量、年齢によって異なります。
1)リバロキサバンはPTを濃度依存性に延長させますが、その相関は血中濃度が高くなると弱くなります。またPTの試薬間差が大きく、相関しない試薬も存在します。PTの延長を認めた場合は、他に理由がなければリバロキサバンの治療効果を示していますが、PTが正常範囲であることがリバロキサバンを内服していること、あるいは過剰な血中濃度を否定できるものではありません。
2)リバロキサバンの血中濃度とAPTTの相関は弱く、かつ試薬間差が大きいとされています。
3)適応
成人:非弁膜症心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制
小児:静脈血栓塞栓症の治療および再発抑制
・アビキサバン
直接Xa阻害薬であるアビキサバンは、そのバイオアベイラビリティは49%であり、健常人においては約3時間でピーク血中濃度に達します。他のDOACと比較して腎からの排泄が少なく、半減期は12時間です。
1)PTおよびAPTTはアビキサバンの抗凝固作用を反映せず、アビキサバンが有効血中濃度にあるが、過剰量に存在するかの判断に用いることはできません。
2)適応:非弁膜性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制。
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