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従来型合成DMARDsによる治療を3〜6か月継続しても、治療目標である臨床的寛解あるいは低疾患活動性に到達しない場合には、生物学的DMARDsの併用を考慮します。
・インフリキシマブ:腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)を標的とした抗体製剤として、キメラ型(Fab部位が異種動物のアミノ酸配列)抗体製剤
・セルトリズマブペゴル:ヒト化(相補性決定領域CRDのみ異種動物のアミノ酸配列)抗体製剤
・アダリムマブ:ヒト型抗体製剤
・ゴリムマブ:ヒト型抗体製剤
・エタネルセプト:受容体製剤(TNF受容体IIであるp75とIgG1-Fc部分の融合蛋白製剤)
・トシリズマブ:インターロイキン6(IL-6)の授与体に対する抗体製剤、ヒト化抗体製剤
・サリルマブ:インターロイキン6(IL-6)の授与体に対する抗体製剤、ヒト型抗体製剤
・アバタセプト:T細胞の副刺激経路を介した活性化を阻害、CTLA-4とIgG1-Fcの融合蛋白製剤
薬剤価格が高いことがbDMARDsの最大の課題であり、完全に同一ではありませんが、同等性が検証されたバイオシミラー製剤も次々と発売されています。
bDMARDsはcsDMARDsと異なり、用量依存性の有害事象増加が明らかにはみられません。血中トラフ濃度が有効性の主要な規定要因であることから、インフリキシマブでは血中トラフ濃度の測定が可能で、有効性が不十分でトラフ濃度が1μg/mL未満であった場合には、投与期間短縮や増量を考慮します。
トシリズマブやサリルマブといったIL-6阻害製剤では血清CRP値が0.01mg/dL以下になっていることが十分量投与の目安となり、CRP値がこれよりも高い場合には、投与期間短縮や増量を説教的に考慮します。他方で、IL-6阻害薬製剤の投与中には感染症に罹患しても発熱やCRP増加がみられにくい(マスキング現象)ため、臨床の現場ではこのことを熟知しておく必要があります。また、IL-6阻害製剤によりLDL-C・HDL-Cともに増加し、その比率はほとんど変わりません。IL-6阻害製剤による白血球減少の多くは白血球の局在変化に伴うものであり、感染症リスクと関連しません。
bDMARDs投与前のスクリーニングは、MTX(メトトレキサート)と同様です。bDMARDsは有害事象がほぼアレルギー反応と感染症にほぼ限定されることが特徴であり、これは標的分子への特異性が非常に高いことに起因します。
インフリキシマブなどのTNF阻害モノクローナル抗体製剤では、潜在性結核の再活性化により、投与開始から3か月前後での結核発症(約半数は肺外結核)が特徴的にみられます。
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