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・血清Cr(クレアチニン)
血清クレアチニンは筋肉でクレアチンが代謝されることにより産生される物質であり、腎機能の指標として広く使用されていますが、筋肉量の影響を受けることや、軽度の腎機能低下と血清クレアチニンの上昇にはタイムラグがあるといった問題があります。
・尿中β2-MG、尿中NAG
尿細管障害の指標として用いられています。尿中β2-MGは糸球体で濾過されて尿細管で再吸収されるため、尿細管機能が低下すると尿中への排泄が増加しますが、pH5.5以下の酸性尿中では不安定です。また、尿中NAGは尿細管上皮細胞中のライソゾームに含まれる糖蛋白分解酵素の一種であり、尿細管障害により尿細管腔内に逸脱しますが、尿細管障害が進行して尿細管細胞数が減少するとむしろ尿中濃度が低下することや、前立腺液にも高濃度で含まれるなどの欠点があります。
・L-FABP
分子量14.4kDaの主に肝臓・小腸・腎臓に発現する脂肪酸結合蛋白で、遊離脂肪酸と結合してミトコンドリアなどの細胞小器官へ輸送することで生体内のエネルギー産生にかかわっています。腎臓では近位尿細管上皮細胞の細胞質に発現しており、近位尿細管が虚血や酸化ストレスを受けると発現が増え、尿中への排泄も増加し、腎虚血や酸化ストレスを反映したバイオマーカーと考えられています。AKIの早期診断・重症度や生命予後の予測に有用であることが示されています。
・NGAL
分子量25kDaの好中球やマクロファージなどの出現し免疫にかかわる蛋白質で、腎では近位尿細管上皮細胞に発現します。腎障害における尿中NGAL増加の機序としては、遠位ネフロンでの産生増加、近位尿細管での再吸収不全のみならず、腎障害により血中NGALも増加すると考えられています。尿中NGALがAKIの早期診断、重症度や生命予後の予測に有用であることが示され、血中NGALに関してもAKIの早期診断や予後予測に有用であったとの報告があります。欠点としては腎障害以外の病態でも腎外で産生され、また尿路感染や泌尿器疾患でも尿中に検出されるため、腎障害のバイオマーカーとして特異性に問題がある点があげられます。
・IL-18(インターロイキン-18)
分子量22kDaの炎症性サイトカインで」、マクロファージや単球などで産生されます。AKIにおいては腎近位尿細管で産生され、尿中に分泌されます。AKIの診断や予後予測に有用とされていますが、L-FABPやNGALに比べて、腎障害発生から上昇するまでのタイミングはやや遅く、炎症性サイトカインであり、実際に敗血症患者で高値を呈することからその特異性にも注意が必要です。
・KIM-1(Kidney injury molecule 1)
分子量104kDaで、正常腎では発現しませんが、腎障害時に近位尿細管での発現が増加します。AKIの診断や予後予測に有用とされています。酸性尿においてKIM-1の安定性が低下するとの報告があります。
・IV型コラーゲン
糸球体や尿細管基底膜、メサンギウム基質を構成しています。尿中IV型コラーゲンは、糖尿病性腎症患者で増加することが報告されており、糖尿病性腎症の早期診断や進行の検出に有用と考えられます。
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