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慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は、すでに知られているように、腎臓の障害が慢性的に持続するものすべてを包括しています。一方、急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は、腎臓の機能障害が慢性化する以前の、より早期の軽微な腎障害も含めて診断しうる概念です。AKIの直接的な原因としては、薬剤・造影剤・侵襲度の高い手術・感染・脱水症などさまざまですが、AKIを惹起しやすい基礎の状態(リスクファクター)としては、高齢・高血圧・糖尿病・心不全・肝疾患・低栄養状態・動脈硬化疾患などがあげられ、CKDもそれに加わり重要なリスクファクターとして知られています。
CKDがAKIのリスクファクターであることを示す具体的な報告は多数されており、たとえば尿中アルブミンが増加するとともにAKI発症は増加しますが、基礎値の推定糸球体濾過量(eGFR)の低下(CKDの存在)はそれらと独立してAKIの発症に関与しているとの報告があります。また入院の必要なAKIの発症リスクをeGFR/蛋白尿は互いに独立してAKI発症のリスクファクターであり、GFRの低下および蛋白尿が高度になるにしたがってAKI発症のリスクが上昇するとの報告もあります。CKDステージ別の解析では、AKI症例の1/3がステージ4以上のCKDを有しており、ステージ4以上に進行したCKDではAKIの発症リスクファクターになるとの研究結果もあります。加えてCKDを有さない患者のAKI発症率が2.3%であるのに対して、CKD患者では8.8%と高値であり、約7,000人を対象としたCKD患者の研究では、年間100人のCKD患者あたり35人がAKIを経験しているとの報告があります。逆に、発症前のeGFRが高い症例においては、AKI発症が優位に少ないとの報告があります。
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