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AKI on CKD

相互にリスクファクターであり、末期腎不全への進行を抑止するためには、AKI・CKDそれぞれの早期診断・治療介入は必要になります。

AKI on CKD

わが国でも「AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016」が作成されており、その中でもAKIonCKDについて記載されています。心臓手術に対する検討では、心臓手術後のAKI発症リスクとしてCKDステージ3、4が報告され、冠動脈バイパス術(coronary artery bypass grefting:CABG)患者を対象とした前向き研究では、術前のeGFRが良好であるほどAKI発症リスクが低下するという報告があります。また、急性心不全においても、CKDがAKIの発症リスクと報告されています。さらに、循環器のみならず感染症(敗血症)におけるAKI発症リスクとしてもCKDがあげられています。

透析加療を要するほどの重症AKI発症のリスクは、CKDステージ3で2〜7倍、ステージ4で40倍になるとの報告もあります。また、CKD患者のAKIは透析へのリスクを2倍に高め、死亡リスクを2倍に増加させるという報告もあります。しかい、AKI発症前の基礎疾患としてのCKDの存在が生命予後に与える影響は報告により異なっており、維持透析導入率は高いが死亡率は変わらない、もしくは低いとの報告もあります。

AKI on CKDの生命予後への影響は今後も検討が必要ですが、CKDはAKI発症の強力なリスクファクターであり、AKIはCKDの強力なリスクファクターでもあります。AKI後のCKD進展のリスクは高齢・CKD・糖尿病・高血圧の合併など患者背景に加え、AKIの重症度や罹患期間なそ急性期の状態とも関連して上昇することが報告されています。相互にリスクファクターであり、末期腎不全への進行を抑止するためには、AKI・CKDそれぞれの早期診断・治療介入は必要になります。

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