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・腎後性AKI
腎後性AKIは、血管内脱水や低血圧などにより腎灌流が低下し糸球体濾過量(GFR)が低下する病態であり、腎実質の器質的障害を伴わないものと定義されます。腎灌流の改善が得られればGFRも速やかに回復します。しかし、腎灌流の低下が高度もしくは遷延した場合は、腎性AKIに進展します。
・腎性AKI
腎性AKIは、腎実質の器質的障害によりGFRが低下する病態です。障害部位により血管障害、糸球体障害、急性間質性腎炎、急性尿細管障害(acute tubular injury:ATI)に大別されます。ATIはさらに虚血性と腎毒性(中毒性)に分けられます。虚血性ATIは腎前性AKIが高度もしくは長時間持続した場合に生じます。つまり腎前性AKIと腎性AKIは概念としては区別されますが、虚血性ATIでは連続的で不可分な病態であることも多いと考えられます。
・腎後性AKI
腎後性AKIは尿路閉塞が原因で生じます。対側腎の機能低下がなければ、片側性の上部尿路閉塞で腎後性AKIをきたすことはありません。両側性の尿路閉塞や膀胱流出路の閉塞により腎後性AKIが生じます。画像検査により両側性の水腎症が認められた場合、腎後性AKIが考えられます。尿路閉塞解除することで比較的速やかに腎機能の改善が得られます。
AKIの原因の鑑別は、まず超音波検査などで尿路閉塞の有無を評価し、腎後性AKIを否定することから始めます。次に腎灌流低下をきたしうる病態(体液量減少、心機能低下など)の有無で腎前性AKIの可能性を考えます。さらに特異的治療介入が必要な急性糸球体腎炎、血管炎、急性間質性腎炎、血栓性微小血管症などを除外し、尿生化学所見などから腎前性AKIと腎性AKIの鑑別を進めていきます。
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