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ウイルス抗体検査に用いられる検査法の測定原理と特徴

ウイルス抗体検査に用いられる検査法の測定原理と特徴をまとめています。

ウイルス抗体検査に用いられる検査法の測定原理と特徴

CF:補体結合反応
Complement fixation
抗原抗体複合体と結合した補体を感作血球の不溶血を指標として間接的に証明します。
補体が抗原抗体複合体と結合することと溶血反応を引き起こすことを利用した方法。赤血球に溶血素を結合した感作赤血球は補体が結合すると溶血を起こしますが、抗原抗体複合体が存在すると補体が消費され溶血が阻止されることから、溶血の程度で抗体の存在を判定します。
・群特異性が高い 
・比較的早期に抗体消失 
・感染スクリーニング用

HI:赤血球凝集抑制反応
Hemagglutination inhibition
赤血球凝集能をもつウイルスの場合、その凝集を抑制する抗体を証明します。
ウイルスのもつ赤血球凝集能が、ウイルスに対する抗体により抑制されることを利用した方法。抗原抗体複合体と赤血球を反応させ、凝集抑制の有無によりウイルスに対する抗体の存在を判定します。
・型特異性が高い 
・早期に抗体が上昇、持続する

FA:蛍光抗体法
Fluorescent antibody method
感染細胞中のウイルス抗原と抗体との反応を蛍光標識抗体で証明します。
・抗体分画が可能

NT:中和反応
Neutralization test
活性ウイルスを抗体により中和させ、感染防御抗体を証明します。
ウイルスがウイルスに対する抗体との反応により感染性が失われること(中和)を利用した方法。ウイルスと抗体を反応させた後、ウイルスに感受性のある培養細胞に接種し、細胞変性効果(cytopathogenic effect:CPE)の有無により中和抗体の存在を判定します。
・型特異性が高い

EIA:酵素免疫法
Enzyme immunoassay
固相化したウイルス抗原と抗体を反応させ、酵素標識抗体との反応により証明します。
標識物質に酵素で標識した抗原または抗体を用いて抗原抗体反応を行い、発色基質を加えて酵素活性を測定する方法。
・抗体分画が可能 
・定量的データ 
・他法に比して高感度

PA:受身 (粒子) 凝集反応
Particle agglutination
固相化ゼラチン粒子にウイルスを吸着させ、これに抗体を反応させて凝集の有無により証明します。
抗原または抗体を吸着(結合)させたゼラチン粒子など(感作粒子)を用いて抗原抗体反応を行い、抗原抗体反応による凝集の有無により抗体または抗原の存在を判定する方法。
・高感度

WB:ウエスタンブロット法
Western blot
転写膜に分画された抗原タンパクのバンドと特異的に反応する抗体を検出します。
目的とする蛋白質を電気泳動により分画し、電気的にニトロセル ロース膜に転写して、目的の蛋白質に対する抗体を反応させた後、酵素で標識した抗体を2次反応させ、目的の蛋白質を検出する方法。イムノブロット法とも呼ばれる。
・特異性が高い 
・確認試験

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