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COVID-19の致死的合併症である、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、播種性血管内凝固症候群(DIC)などの背景には、ウイルスに対する過剰な免疫応答の活性化により、炎症性サイトカインの異常な上昇による重篤な自己免疫病態である「サイトカインストーム」が関わっていると考えられています。
「サイトカインストーム」は、何らかの原因によりIL-1β、IL-6、TNF-αなどの血中サイトカインの大量産生状態と、続発する全身の炎症状態を伴う過剰な免疫反応を表す言葉です。1992年Ferrara博士らにより、同種造血幹細胞移植後の重症移植片対宿主病(GVHD)における過剰炎症の病態に対して、初めてこの呼称が用いられました。現在、その原因は多岐にわたることが知られており、一概に全てが同じ病態・症状ではないことなどから「サイトカインストーム」」に対する呼称もそれぞれの領域により様々です。例えば、感染症領域では全身性炎症反応症候群(SIRS)、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)治療後の高サイトカイン血症に伴う重篤病態は
サイトカイン放出症候群(CRS)、悪性腫瘍やウイルス感染、自己免疫疾患に伴うものではマクロファージ活性化症候群(MAS)、血球貪食リンパ組織球症(HLH)もしくは血球貪食症候群(HPS)などと呼称されます。
単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HSV)は、血清型および遺伝子型から、HSV-1(1型)とHSV-2(2型) に分類されています。 HSV感染症のほとんどは、症状を認めない不顕性感染ですが、ウイルスの型(1型・2型)や感染経路により多彩な病態を持つことが知られています。病態は皮膚のバリア機能や全身の免疫機能が関与し、 その再発頻度はウイルスの型などによって決定されると考えられています。
近年デジタルPCRをはじめとするデジタルアッセイ法が勃興しています。これらは1分子検出技術に基づく新しい超高感度診断技術として注目を浴びており、新しい疾病マーカーの探索が活発に行われています。
・デジタルインフルエンザ検出法の原理
デジタルアッセイ法に共通する原理は、微小な空間に閉じ込めることです。これは、微小な空間内では簡単に濃度が上がることを利用しているためです。例を挙げて考えると、1分子酵素を1mLの中に加えて、その反応産物が1μMに達したら検出できると仮定します。酵素は1秒間に10回反応するとして考えると、1分間に600分子の反応産物が産生されます。これが1μM(6X10¹⁴分子/mL)に到達するには190万年の時間が必要です。一方でこの体積を1fL(10⁻¹⁵L)まで小さくすると1分間で1μMに到達できます。このように、微小な空間に閉じ込めることで、1分子酵素の活性を検出できることがわかります。
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